コマツグループは、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することを経営の基本としています。「企業価値とは、我々を取り巻く社会と全てのステークホルダーからの信頼度の総和である」と考えています。そして、この信頼度の総和を高めるためには、業績を向上させ、経営の健全性と透明性を高めるだけでなく、社会から更に信頼される会社となることが必要であり、ビジネス社会のルールを遵守することが不可欠です。
ビジネス社会のルールの遵守をグループ全体に徹底するため、コマツ本社に担当役員を任命し、専門部署として「コンプライアンス室」を設けています。また、社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」においてグループの活動方針、重要事項などを審議するとともに、コンプライアンス活動の推進状況を定期的に取締役会に報告しています。
国内外のグループ各社の役員および社員が守るべきビジネス社会のルールとして、「コマツの行動基準」(1998年制定、以後11回改訂)を定めています。
近年、ますます多くのステークホルダーが、グローバル企業としての当社の健全で持続的な成長のみならず、事業活動や製品、サービスが環境や社会に及ぼす影響にも配慮して持続可能な社会の発展に積極的に貢献することを期待しています。コマツグループは、この期待に応えることを企業が果たすべき社会的責任と考え、「サステナビリティ基本方針」を定めて当社の姿勢を明示し、本業を通じて持続可能な社会の発展に貢献するとともに、コマツグループの持続的成長を目指しています。「コマツの行動基準」の第1部では、主に、そうした社会的責任を果たすためにコマツグループが遵守すべき企業行動の指針を示しています。
また、コマツグループが社会からの信頼に応え続けるためには、社員一人ひとりが関係法令および社会で一般に尊重されているルールを遵守して、誠実かつ倫理的に行動することが求められます。「コマツの行動基準」の第2部では、広範囲にわたるビジネス社会のルールのうち、世界のどこにおいても守るべき基本的なルールを列挙し、コマツグループの社員全員が従うべき行動準則を示しています。
「コマツの行動基準」に違反する行為が発覚し、就業規則に基づき減給・昇給停止等の懲戒処分の対象となる場合には、業績評価においても考慮されることとなります。
コマツは、その社会的責任(CSR)を果たすことを重要な固有の責務と捉えており、「コマツの行動基準」もCSRを重視する姿勢を明確にしています。また、コマツのコンプライアンス活動は、(1)行動基準の設定、(2)行動基準の展開、(3)実態の把握と、(4)有事の対応(是正・再発防止)のPDCAサイクルを回すことを活動の柱としています。
なお、行動基準の遵守体制については定期的に監査法人による監査を受けております。
コマツの行動基準はこちらからご覧になれます。
ルールの遵守を常に徹底させるため、コンプライアンス上の基本動作を凝縮した「コンプライアンス5原則」のポスターをコマツグループの各事業所に掲示し、社員の意識浸透を図っています。そして、社員教育としては、「コマツの行動基準」を全世界の社員に理解させるため、「コマツの行動基準」第10版改訂以降、グローバルe-ラーニングを展開し、2021年4月に改訂した第11版の教育を実施しています。また、日本国内において集合教育形式のコンプライアンス研修を管理職から一般職の各階層別に実施しています。その他にも、各部門からの要請に応じたスポットの個別研修や、業務の種類に応じたコンプライアンス研修も実施しています。さらに、海外リスクに対する研修として駐在予定者を対象に、腐敗防止、独禁法、輸出管理等に関する教育を行っています。
イントラネット上に「コンプライアンス・ポータル」を常設し、幅広い啓発に努めています。毎月発行の情報誌「みんなのコンプライアンス」では、重要法令の解説、他社事例から引き出す教訓、また、ビジネス社会のルール全般として、人権やハラスメント防止、交通ルールに関する記事等も掲載しています。特に重要な分野として、腐敗防止、独禁法、輸出管理に関する記事は、繰り返し掲載しています。コンプライアンスに関する情報誌発行による啓発は、海外現地法人でも展開中でありグローバルに取り組んでいます。
コマツの事業所およびグループ各社に対しては、財務監査だけでなく、「コンプライアンス・リスク(CR)監査」として、安全、環境をはじめとした重要分野にわたるモニタリングを実施し、リスクの早期発見と改善に努めています。
ビジネス社会のルールに関するグループの社員からの相談・通報に対応するため、本社に通報窓口として「グローバル・コンプライアンス・ホットライン」を設置し、問題の早期発見・是正に努めています。またコマツグループ各社は、各地域の全ての社員等がそれぞれの母国語で相談、通報が行えるよう、地域毎にコンプライアンス・ホットラインを設置、運営し、ビジネス社会のルールの違反やそのおそれに関する相談、通報を適切に取り扱います。
グローバル・コンプライアンス・ホットラインに対して行われた通報については、通報元の地域を担当するコンプライアンス・ホットラインに回付され、事実関係の調査およびビジネス社会のルールの適用については各地域のコンプライアンス・ホットラインによって行われます。この場合、グローバル・コンプライアンス・ホットラインは各地域のコンプライアンス・ホットラインによる案件処理の状況をモニターし、適正手続きが維持されるよう監督します。この制度により正当な通報を行った社員は、通報を理由にいかなる不利益も受けないことを「コマツの行動基準」・「コンプライアンス5原則」や各社の就業規則に明記し、相談・通報の活性化を図っています。
グローバル・コンプライアンス・ホットラインの窓口担当者は、全ての通報対応を協議し、適切な対応となるよう努めています。また研修や勉強会参加などにより通報対応のスキルアップにも努めています。
2022年度中に特記すべき事項はありません。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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通報件数(うち重大な案件の数) | 89(0) | 126(0) | 141(0) |
制定日 | 1998年1月1日 |
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最終改訂日 | 2024年4月1日 (第12版) |
対応言語 |
20言語(第11版。第12版は順次対応) 日本語、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、オランダ語、イタリア語、ポーランド語、フランス語、スウェーデン語、 フィンランド語、インドネシア語、タイ語、ロシア語、トルコ語、ペルシア語、タミル語、台湾語、韓国語 |
行動基準グローバル教育(e-ラーニングおよび集合教育) | 約45,930名 |
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<集合教育(国内)> 階層別研修(国内) スポット個別研修(国内事業所・関係会社) |
約 1,480名 約22,380名 |
<集合教育(海外)> スポット個別研修(海外現地法人) |
45名 |
0(ゼロ)件
コマツの腐敗防止方針に抵触したことを理由として解雇された社員の数 (グローバル) |
2022年度:0(ゼロ) |
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腐敗に関連してコマツに課せられた罰金・ペナルティの金額 (グローバル) |
2022年度:0(ゼロ) |
腐敗防止に関する社員教育の実施回数 (日本国内) |
2022年度:12回 対象者:約110名(駐在予定者) |
腐敗に関連した内部通報制度の設置 (グローバル) |
腐敗防止は「コマツの行動基準」に明記されており、腐敗防止も含め、ビジネス社会のルール違反またはその疑いがある場合は、コマツ本社のグローバル・コンプライアンス・ホットライン、もしくは地域毎に設置されているコンプライアンス・ホットラインへ相談、通報するよう指導しています。 |