コマツでは「人材」を新たな価値を創出する重要な経営資源の一つと捉えています。コマツは売上高の約9割が海外売上であり、グループ社員約6万7千人のうち、約7割が日本以外で働いています。多様なバックグラウンドを持つ人材の能力や個性を最大限に引き出すことが、イノベーションの創出と持続的な企業価値の向上につながると考え、継続的な人材への投資を行っています。中期経営計画では、経営戦略とのつながりを一層意識した施策を展開しながら、人的資本経営のさらなる強化を図っています。
コマツでは、「グローバルに多様な人材が一つのチームとして、事業の成長に貢献できる環境の実現」というグローバル人事方針を掲げ、会社と個人の双方の成長の好循環による持続的な企業価値向上を目指しています。具体的には、①持続的な人材確保、②適所適材の実現、③次世代リーダーの育成、④適切なコスト管理という会社視点と、①魅力ある職場への入社、②やりがいのある仕事、③継続的な個人の成長、④エンゲージメント向上につながる褒賞という個人視点の双方を踏まえ、「コマツらしいキャリア形成(Employee Journey)を通じた社員が得られる感情・認識・経験(Employee Experience)」の最大化を目指しています。
この実現のために、「多様な個性が地域のみならずグローバルに輝ける環境の実現」を人事・教育部門の重点活動として位置付け、この取り組みを支える基盤として、「心身共に安全な職場環境の実現」、「 HR DX推進」、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」に継続して取り組んでいます。また、定期的なエンゲージメントサーベイを踏まえ、アクションプランを策定・実行するとともに、その効果を把握し、次の活動に活かしています。
加えて、以下の人事の基本方針を「コマツの行動基準」にて定義しており、各地域の事情を反映した、その地域にふさわしい人事制度を構築しています。
変化の激しいビジネス環境に対応するため、コマツを取り巻く外部環境を人事的な視点でも分析し、人材戦略の方向性や、とるべき人事・教育施策を検討し、中期経営計画の重点活動として進めています。人材戦略の各種施策は、グローバル全体で横串を通して展開する取り組みと、各地域や事業の特性に応じて効果的かつ効率的に進める取り組みに区分し、それぞれ推進しています。 各種施策を議論する場として、人材戦略に関する会議体である「コマツウェイ推進委員会」があり、 社長を委員長に 国内外の執行役員・グローバルオフィサーが集まり、人材戦略や人事・教育施策について議論を重ねています。また、主要海外グループ会社の人事部門責任者が出席する「グローバルHR会議」も定期的に開催し、課題認識の共有や施策内容について議論し、施策を展開した上での知見の共有も図っています。
コマツグループは、国籍も考え方も異なるさまざまな社員が一つに集うグローバル企業です。このような多様な社員を結びつける共通の価値観が、「コマツウェイ」です。コマツウェイは、創業の精神をベースに、先人たちが築きあげてきた企業文化を明文化したものであり、社員が堅持する姿勢である「私たちの価値観」、すなわち「挑戦する」「やり抜く」「共に創る」「誠実に取り組む」を実践するための、より具体的な行動指針です。コマツの強みとして共有すべき価値観を持ち、多様な社員がユニークな視点を尊重しあい、共に活かしあって、イノベーションを生み出す企業文化を浸透させていきたいと考えています。
コマツウェイを全世界のコマツグループ各社へ普及させ実践していくために、さまざまな推進活動・人材育成を実施しています。社内研修にコマツウェイを織り込み、解説とグループ討論の場を設け、社員の気づきや理解を深めています。職場では定期的にミーティングを開き、考え方の説明や体験談の発表により世代間のコミュニケーションを活発にして伝承・定着を推進しています。
2007年からは、「お客さまにとって、コマツでなくてはならない度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在になる」ため、ブランドマネジメント活動に取り組んでおり、お客さまの現場に入って、お客さまの理想を知り、コマツグループ、代理店が一丸となってお客さまと共に目標を達成することで、お客さまとの関係性を深めていくことを目指し、活動を進めています。
2025年1月、コマツは、存在意義や価値観とコマツウェイの関係性をより明確にするとともに、社内外の環境変化を踏まえて内容を見直したコマツウェイ第4版を発行しました。
全社員が母国語でコマツウェイを理解できるよう、電子冊子やe-learningを13カ国語で展開しています。加えて、コマツウェイにまつわる各職場・各地域での実践事例やエピソードをグローバルに共有し、社員一人ひとりが自分事として捉え、理解を深められるよう推進活動を強化しています。また、TQM(Total Quality Management:総合的品質経営)については、国内では階層別研修のカリキュラムに組み込み、年次や役割に応じた教育を実施しています。グローバルでは、現地講師育成プログラムが3年目を迎え、海外現地法人による自律的な研修実施への体制づくりが進展し、TQMの考え方と実践を各地域へ着実に広げています。
今後も全社員を対象とした人材育成を継続し、コマツウェイとTQMのグローバルな普及・定着を計画的に進め、次世代へ受け継ぐ人材の育成を通じて、コマツグループ全体の成長につなげていきます。
| 研修名 | 対象者 | ねらい | 実施時期(2025年度) | 人数・実績(2025年度) |
|---|---|---|---|---|
| コマツウェイ研修 | 各階層別の内容を実施 | コマツウェイの理解・実践の促進 | 通年 | 1,282人 |
| コマツウェイ第4版イントロダクションe-learning | 国内外全社員 | コマツウェイ第4版の理解・実践の促進 | 2025年10-11月 | 国内外全社員に展開済 |
| TQM入門・初級・中級・上級・管理職研修(国内向け) | 各階層別の内容を実施 | TQM理解と実践促進 | 通年 | 1,868人 |
| TQMインストラクター育成研修 | 海外現地法人社員 | 各地域・会社でTQM研修を実施できるローカル講師の育成 | 2025年11月 | 12人 |
| QCサークル推進員研修 | QCサークル推進 事務局・推進員 |
QCサークル活動の活性化・円滑な運営推進方法の習得 | 2025年6月・7月 | 62人 |
| QCサークルリーダー研修 | QCサークル リーダー |
QCサークル活動に必要な考え方・手法の習得 | 2026年2月・3月 | 129人 |
| オールコマツQC大会 | 国内・海外のコマツグループから選抜 | 改善発表活動をOJTの場とし、コマツウェイ実践の意識付けを強化 | 2025年11月 | 改善発表93件 (うち海外31件) 会場参加者数:約600人 |
