コマツの事業活動が生態系に与える影響を認識し、生物多様性の保全に取り組んでいます。
コマツは2011年1月に「コマツの生物多様性宣言」および「コマツの生物多様性ガイドライン」を制定し、世界の全ての事業所で生物多様性保全に向けた活動を開始しました。
コマツの事業活動が生物多様性に依存し、同時に影響を与えているという認識に立ち、生物多様性の保全に貢献する取り組みを2つの側面から推進しています。
一つは今まで取り組んできた「事業における環境負荷の低減活動」を着実に推進していくことです。また工場建設などの土地活用時にも生物多様性への配慮を義務付けました。
もう一つはコマツとして生物多様性の保全に直接的に関わり、また社員の意識を高める意味でも、その地域固有の生態系に配慮をした「1拠点1テーマ活動」を展開することです。
コマツ生物多様性宣言(2023年6月改定)
コマツは、「事業活動が生物多様性の持つ生態系サービスの恩恵に依存し、また影響を与えている」との認識のもと、生物多様性が損なわれつつあるという危機感を共有し、生物多様性の保全とその持続可能な利用に努めるべく、下記指針に従い行動する。
Ⅰ(経営層の認識)
生物多様性の保全を、重要な経営課題の一つとして捉える。
Ⅱ(活動)
次の2つの視点を基本とし、気候変動問題と統合的に活動を進める。
特に、重要な生物多様性を含む場所や近接する地域では事業活動を避ける
Ⅲ(進め方)
実現可能性を勘案し、ステップバイステップ・アプローチにより活動を進める。
Ⅳ(外部パートナーとの協働)
地域に根ざした生物多様性を保全するため、行政機関、地域住民およびNGOなどと協働することにより活動を進め、地域が誇れる企業をめざす。
Ⅴ(全員参加の活動)
社員全員が生物多様性の重要性を認識し、全員参加で活動を進める。またその活動は、コマツの製品のライフサイクルに関わる協力企業、代理店およびお客様をも巻き込んでグローバル・グループワイドに進める。
Ⅵ(コミュニケーション)
生物多様性に関する社員の啓発に努める。また、自らの取り組みを積極的に情報開示し、社会における生物多様性の保全の重要性に対する認識度合いを高めることに貢献する。
※ 重要な生物多様性を含む場所:
コマツは2011年1月に「生物多様性宣言」と「ガイドライン」を制定し、この10年間は「1拠点1テーマ活動」と称し、国内外の各拠点(工場、オフィス)が継続的な活動を展開しています。
2020年は、愛知目標が採択された生物多様性締約国会議(COP10)から10年が経ち、また、2021年はコマツの「生物多様性宣言」から10年となり、区切りの年といえます。そこで、このタイミングにあわせ、今後の課題を見つけ、将来に向けた取り組み方針の確認をするため、コマツグループを対象にアンケートを実施し、生物多様性保全活動の調査を行いました。
調査の結果、各拠点の状況は以下の通りでした。
今後は、生物多様性保全活動をライフサイクル全体へ展開するため、サプライチェーンにもこの活動を説明し、積極的に参加いただけるように進めていきます。
コマツインドネシアは、製造業として持続可能な社会の実現に向けて、生物多様性の保全に取り組んでいます。同社はインドネシア西ジャワ州にある森林保護区域の森林再生プロジェクトを進め、約268へクタールの地域に様々な種類の木々を育成する活動を行ってきました。これにより既存の生態系を豊かにするだけでなく、様々な動植物の種の保全を行うことが出来ました。また同社はインドネシアの事業所において、およそ40種類の木々や植物の生育、貯水池での動植物の共生にも取り組み、生態系が豊かになる事で鳥類も住み着いています。コマツの事業活動が生物多様性に依存し、同時に影響を与えているという認識に立ち、生物多様性の保全に貢献する取り組みを今後も推進していきます。