025 gloria blue nega

Theme 1 : Enhancing Quality of Life 重点分野1:生活を豊かにする

気候変動対応

B-3_商品・サービスの気候変動対応_建機のCO2排出削減

気候変動対応

 

商品・サービスの気候変動対応

建機稼働時のCO2排出削減

建設機械のライフサイクルにおけるCO2排出量は、製品稼働中の排出がおよそ90%と大部分を占めています。このような背景もあり、コマツでは製品稼働中のCO2排出量を削減するために、ダントツ商品、ダントツサービス、ダントツソリューションの3つのアプローチで取り組んできました。

Step1:ダントツ商品によるCO2排出の削減

HB335-3
HB335-3

燃費性能の優れた製品を提供し、製品からのCO2排出を削減しています。例えば、2008年にコマツが世界で初めて市場導入したハイブリッド油圧ショベルがこれに当たります。
これらのハイブリッド建設機械は日本の国土交通省より「低炭素型建設機械」として認定されています。
低炭素型建設機械認定機種:HB215-3、HB205-3、HB335-3、HB365-3など計16型式(2021年4月現在)
また、燃費性能の優れた建設機械として、国土交通省の「燃費基準達成建設機械」に、ブルドーザー「D71PX-24」、油圧ショベル「PC78US-11」、ホイールローダー「WA150-8」など、23型式が認定されています。(2021年4月現在)

Step2:ダントツサービスによる製品のCO2排出削減(KOMTRAX)

機械稼働管理システム「KOMTRAX」は、世界中で稼動する建設車両から稼働情報・健康情報を自動で収集し、遠隔での車両の監視・管理・分析を可能にするべく、コマツが開発した仕組みです。集められた情報は、インターネットを通してお客さまに提供するとともに、機械の稼働時間、仕事時間、更には使われ方、燃費を「見える化」し、改善点を提案します。このようにして、お客さまでの燃料消費量の改善(=CO2排出量の削減)をサポートしています。

Step3:ダントツソリューションによる施工全体でCO2排出の削減(ICT建設機械を用いたスマートコンストラクション)

コマツは、2013年に世界で初めて自動ブレード制御機能を搭載したICTブルドーザー「D61PXi-23」を北米・欧州・日本に市場導入しました。さらに2014年には世界初のセミオート制御機能を搭載した油圧ショベル「PC210LCi-10」を北米・欧州に、「PC200i-10」を日本に市場導入しました。ICT油圧ショベルを使った社内テスト施工のデータを元に試算した結果、「PC200i-10」での盛土法面整形作業では約30%の燃料消費量の削減が確認されました。また、ICTブルドーザーを使用した社内テスト施工のデータを元に試算した結果、「D61PXi-23」での敷均し作業では約25%の燃料消費量の削減を確認でき、ICT油圧ショベルと同じくCO2排出量を削減できることが分かりました。
コマツでは、これらのICT建設機械と、ドローンや3Dスキャナーを使った現況地形計測など、工事現場の作業効率化とプロセスの「見える化」を進める「スマートコンストラクション」を展開しています。

製品稼働時のCO2排出削減

コマツでは、製品(建設機械、鉱山機械、林業機械)稼働時に排出する作業量当たりのCO2を2010年度比で2030年度までに50%削減することを目標としました。
この進捗を評価するために、その年の製品性能と、基準年(2010年度)当時の製品の性能を比較し、燃費、作業効率の改善によるCO2削減貢献効果を見積もりました。その結果、2020年度の製品では、基準年にくらべ、14%のCO2削減が達成されました。

製品稼働時CO2排出指数第三者保証チェック

環境管理部, 総務部

B-4_商品・サービスの気候変動対応_事例紹介

生産性と燃費性能に優れた大型油圧ショベル「PC1250-11R」

PC1250-11R
PC1250-11R

コマツは、最新技術を随所に織り込んだ大型油圧ショベル「PC1250-11R」を2020年12月より発売しました。当該機は、自社開発の新型エンジンを搭載し、従来機(PC1250-8)の商品力や基本性能を継承しつつ、燃費改善や安全性向上、KOMTRAX PlusなどのICT機能強化を織り込み、更なる生産性・安全性の向上を実現した120トンクラスの油圧ショベルのモデルチェンジ機です。新型エンジンの採用によるエンジン出力アップと合わせて、従来のパワー(P)モードとエコノミー(E)モードに加えて高負荷作業に適したパワープラス(P+)モードを新たな作業モードとして追加設定したことで生産性(作業量)を従来機に比べ8%(Pモード比)向上させています。また、エンジン燃費効率改善と油圧回路ロス低減、高効率クーリングの採用、オートアイドルストップの採用により、パワー(P)モード使用時においても燃費を従来機に比べ6%改善しました。また、砕石・鉱山の過酷な作業現場におけるオペレーターの安全で快適な作業のサポートとしてKomVision(機械周囲カメラシステム)を標準装備しているほか、油圧式昇降階段(オプション設定)を新たに装備しています。

CSR室, 環境管理部, コーポレートコミュニケーション部, 情報戦略本部, 生産本部, 調達本部, 開発本部, 建機マーケティング本部, ライフサイクル事業部, 地雷除去プロジェクト室, 総務部

B-5__商品・サービスの気候変動対応_コンポ改善事例紹介1

PC78US-11/PC88MR-11用3D95エンジンの開発
-新型エンジンによる環境性能の大幅な向上-

コマツは高性能・高機能・低燃費・低騒音を高いレベルで実現した7トンクラスの小型油圧ショベルの新機種PC78US-11/PC88MR-11を市場導入しました。本車両には35年ぶりに完全新規に自社で開発した高性能の3D95エンジンが搭載されており車両性能の大幅な向上に貢献しています。3D95エンジンは日・米・欧の最新の排気ガス規制に適合するとともに、従来エンジンに対して定格出力点の燃料消費率を8%低減することで大幅な低燃費を達成し、CO2排出削減に貢献しています。またエンジン小型化により構成部品点数を27%削減、排気ガス後処理装置のメンテナンスフリー化(清掃不要:日・米向け、清掃間隔の大幅な延長:欧州向け)により、エンジン製造時やライフサイクルでの環境負荷低減にも寄与しています。さらに合計10,000時間を超える各種試験による品質確認を実施してコマツエンジンの伝統である高品質と信頼性を確保、マシンのダウンタイムを削減して稼働現場の生産性向上に貢献しています。

PC78US-11
PC78US-11
新規開発した3D95エンジン
新規開発した3D95エンジン
CSR室, 環境管理部, コーポレートコミュニケーション部, 情報戦略本部, 生産本部, 調達本部, 開発本部, 建機マーケティング本部, ライフサイクル事業部, 総務部

B-6_生産活動における気候変動対応_生産におけるCO2削減

 

生産におけるCO2削減活動

コマツは気候変動問題に対応するため、事業所における研究・開発や生産活動に使用する電力・燃料ガス・燃料油など全てのエネルギーを対象に、生産金額当たりのCO2排出量を指標として、CO2排出量原単位の低減を推進しています。
2019年度からは、新たにグローバルで中長期の目標を設定し、改善活動を推進しています。
2020年度の第三四半期まではコロナ禍による建設・鉱山機械の需要減に伴い生産量が減少し、国内外ともCO2排出量は減少しましたが、第四四半期の生産急拡大により内製金額当たりの原単位は前年度に比べて若干増加しました。
CO2排出量原単位はCO2排出量の多い鋳造・鍛造工程における省エネと太陽光発電施設の増設やグリーン電力の購入により、内製金額当たりのCO2排出量原単位が2010年度比33%減と2020年度の目標(31%減)を達成しました。
また、再生可能エネルギーの使用率は欧米を中心としたグリーン電力の購入により13%まで向上し2020年度の目標(12%以上)を達成しました。
2021年度も鋳造・鍛造工程のCO2削減プロジェクトを中心にCO2排出量原単位の低減を図ります。

項目 2019年度 2020年度 2030年目標

CO2排出量原単位(対2010年度比)

67

67

50

再生可能電力使用率

11%

13%

50%

前年度の主な活動

《国内》

  • コンポーネント工場の再編による省エネルギー
  • バイオマスボイラの新設

《海外》

  • グリーン電力の購入拡大
  • 溶解炉の最適操業による省エネルギー

生産活動におけるCO2排出、エネルギー指標

CO2排出量第三者保証チェック

CO2排出量
注) 過去データの見直しにより一部データを修正した。

再生可能電力量と比率第三者保証チェック

再生可能電力量と比率

エネルギー使用量第三者保証チェック

エネルギー使用量
環境管理部, 生産本部, 総務部

B-7_生産におけるCO2削減_工場改善事例1

バイオマス活用によるCO2 削減と地域林業への貢献(茨城工場)

茨城工場のバイオマスボイラ
茨城工場のバイオマスボイラ

コマツでは、CO2 排出削減のために再生可能エネルギーの導入も進めています。2015 年には粟津工場で、地域の森林組合と協働したバイオマス・コジェネレーション・システムが本格稼働を開始しました。それに続き、2020 年には、茨城工場でもバイオマスの活用を開始しました。含水率の低い良質な木質チップを導入したバイオマスボイラで燃焼し、その熱を溶接現場の空調に利用することで、従来の電気を使った空調から切り替え、バイオマス活用により、年間でおよそ138トンのCO2 削減を実現しました。使用する木質チップについては、茨城県森林組合連合会と連携し、県内で利用できていない間伐材を活用することで、持続可能なビジネスモデルとして地域林業の活性化に貢献しています。今後は、さらなるCO2 排出量削減のため、木質チップをガス化した燃料を使って発電を行うバイオマスガス化発電設備の導入も計画しています。地域林業資源の活用促進を図るとともに、生産活動に使用する電力における再生可能エネルギーの割合を高め、CO2 削減とESG 課題解決への貢献を同時に進めていきます。

CSR室, 環境管理部, コーポレートコミュニケーション部, 情報戦略本部, 生産本部, 調達本部, 開発本部, 建機マーケティング本部, ライフサイクル事業部, 総務部

B-8_生産におけるCO2削減_工場改善事例2

太陽光発電によるCO2削減活動(中国KCCM)

中国のKCCM工場屋根に設置した太陽光発電
中国のKCCM工場屋根に設置した太陽光発電

中国の小松(常州)建機有限公司(KCCM)では、工場のCO2発生量の約88%が電力消費で発生しています。そのため、節電活働を継続的に進めるとともに、再生可能エネルギーの導入をCO2削減の中長期的な重点活動としています。KCCMでは、専門家に工場の屋根強度の計算を依頼し、2019年~2021年に5回に分けて3.2 MWの太陽光発電プロジェクトを実施しています。2020年は3回に分けて合計1.6 MWの設置が完了しており、それぞれ1月、5月、10月に発電を開始し、2020年1月の発電開始から2021年3月までの発電量は合計約1,010MWhとなりました。2020年度には、太陽光発電量が工場消費電力全体のおよそ13%に達し、大幅なCO2削減に寄与しました。今後さらに1.6MWの太陽光発電設置を行い再生可能エネルギーの利用を推進していく予定です。

CSR室, 環境管理部, コーポレートコミュニケーション部, 生産本部, 調達本部, 開発本部, 建機マーケティング本部, ライフサイクル事業部, 総務部

B-9_物流における気候変動対応_物流におけるCO2削減

 

物流におけるCO2削減

グローバル輸送のCO2改善状況について

(貨物重量当たりCO2排出量原単位:kg-CO2/トン)

国内は生産工場に隣接した、金沢及び常陸那珂港利用率向上による輸送距離削減 、内航船、鉄道利用による長距離陸上輸送の改善(モーダルシフト化)を重点継続実施しています。2020年度は、これらの活動によって原単位指数(仕事量当たりのCO2排出原単位)で2019年度比で1.5ポイントを改善しました。
また、海外では北米のモーダルシフト化が進み、対2019年度比で3.6ポイントを改善しました。

輸送におけるCO2排出第三者保証チェック

グローバル輸送CO2排出量と原単位
* 原単位指数は基準年(日本:2006、海外:2011)での貨物重量当たりのCO2排出量を100とした指標
環境管理部, 生産本部

B-10_物流におけるCO2削減活動_国内事例

国内輸送CO2改善
工場間輸送のJR貨物利用によるモーダルシフトの拡大

コマツはモーダルシフトを強力に推進しています。
コマツはモーダルシフトを強力に推進しております。本年度は小山工場から粟津工場向けのコンポーネント製品の輸送方法を再検討し、トラックドライバへの負荷の大幅軽減、CO2発生量大幅見込めるJR貨物輸送を再開(宇都宮ターミナル→大阪ターミナル経由→金沢ターミナル)し、年度末には粟津向けコンポーネントの約35%をJR輸送に切り替えました。 これによるCO2改善効果は421t/年で、国内排出量の2.1%を低減しました。

環境管理部, 生産本部

B-11_Scope3 CO2排出量

 

Scope3 CO2排出量

コマツは、生産/販売・サービス等で排出するCO2のほかに、サプライチェーン全体でのCO2排出量を把握し、その削減を目指しています。そのためにScope3 CO2排出量を毎年算定しています。

Scope1:コマツから直接排出するCO2(例:燃料燃焼時のCO2排出)
Scope2: コマツでのエネルギー利用に伴うCO2の間接排出(例:購入電力の使用に伴う発電時のCO2

Scope3:その他の間接的なCO2排出
(例) 上流;購入品の製造時に発生するCO2 など
  コマツ;通勤、出張時に交通機関が発生するCO2 など
  下流;建設機械などの製品使用時のCO2排出 など

コマツは、自社の持つKOMTRAX(コムトラックス)の実データをもとに、報告年度に生産した製品がライフに渡る稼働時に発生するCO2排出量(Scope3 カテゴリ11)を把握しました。
算定の仕方は次の通りです。

顧客使用に伴う排出量の算定

(1)各機種ごとに下記を計算

各機種ごとのライフに渡るCO2排出量
=(報告年度生産台数)×(燃費;L/kWh)×(エンジン出力;kW)
×(設計エンジンライフ;これを製品寿命とする;h)×(CO2換算係数)
 ※燃費(L/KWh)については、代表機種でKOMTRAXにより集計した。

(2)上記(1)を各機種で計算し、合計

その他、残りの14カテゴリについても、概略のCO2排出量を算定し、下記の円グラフになりました。

(詳細:Scope3一覧第三者保証チェック

  1. LCA とは、個別の商品の製造、輸送、販売、使用、廃棄、再利用までの各段階における環境影響評価手法
  2. Scope1とは、事業者が直接的に排出するCO2(例:燃料消費)
  3. Scope2とは、事業者が間接的に排出するCO2(例:買電)
  4. Scope3とは、事業者が、サプライチェーンなどで排出するCO2(例:製品稼働時の排出、サプライヤーからの排出、輸送、出張、通勤)
  • 各カテゴリの算定にあたっては、国内、海外の集計範囲で算定していますが、カテゴリ(4):上流の輸送は、国内と一部の海外のデータで算定しています。又、カテゴリ(3):燃料調達は海外データに一部推定が入ります。カテゴリ(13):下流のリース資産運用はカテゴリ(11)に含まれます。

以上の結果から、製品使用時の排出量が総排出量のおよそ90%を占めていることが分かります。
これらのことから、燃費の良い製品はCO2削減に大きな効果を示すということが分かります。
コマツは、ハイブリッド建設機械(燃費25%向上)やダントツ商品(燃費10%以上向上)の開発やICTを駆使したスマートコンストラクションに注力しています。

また、参考までにLCA※1(Life Cycle Assessment)で把握した結果は、下記の円グラフです。

【参考】Scope1,2,3の円グラフ第三者保証チェック

環境管理部