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気候変動対応

B-3_商品・サービスの気候変動対応_建機稼働時のCO2排出削減

気候変動対応

 

商品・サービスの気候変動対応

1.建機稼働時のCO2排出削減

建設機械のライフサイクルにおけるCO2排出量は、製品稼働中の排出がおよそ80~90%と大部分を占めています。このような背景もあり、コマツでは製品稼働中のCO2排出量を削減するために、ダントツ商品、ダントツサービス、ダントツソリューションの3つのアプローチで取り組んできました。

Step1:商品によるCO2排出の削減

PC30MRE-6
PC30MRE-6

電動化や燃費性能の優れた製品を提供し、製品からのCO2排出を削減しています。

国交省の建設施工現場における電動建機の普及による脱炭素化を図るための「GX建設機械認定制度」では、バッテリー式電動油圧ショベルや有線式電動油圧ショベルで、計9型式が認定されています(2026年4月現在)。国交省のGX建設機械認定制度に基づき、対象製品を自社のサステナブル製品として分類しています。

Step2:サービスによる製品のCO2排出削減(Komtrax)

機械稼働管理システム「Komtrax」は、世界中で稼動する建設車両から稼働情報・健康情報を自動で収集し、遠隔での車両の監視・管理・分析を可能にする仕組みです。機械の稼働時間、仕事時間、更には使われ方、燃費を「見える化」し、インターネットを通してお客さまに提供し、お客さまでの燃料消費量の改善(=CO2排出量の削減)をサポートしています。

Step3:ソリューションによる施工全体でCO2排出の削減(ICT建機の活用と、スマートコンストラクションによるソリューションの提供)

コマツは、2013年に世界で初めて自動ブレード制御機能を搭載したICTブルドーザー「D61PXi-23」を北米・欧州・日本に市場導入しました。さらに2014年には世界初のセミオート制御機能を搭載した油圧ショベル「PC210LCi-10」を北米・欧州に、「PC200i-10」を日本に市場導入しました。ICT油圧ショベルを使った社内テスト施工のデータを元に試算した結果、「PC200i-10」での盛土法面整形作業では約30%の燃料消費量の削減が確認されました。また、ICTブルドーザーを使用した社内テスト施工のデータを元に試算した結果、「D61PXi-23」での敷均し作業では約25%の燃料消費量の削減を確認でき、ICT油圧ショベルと同じくCO2排出量を削減できることが分かりました。
コマツでは、これらのICT建設機械と、ドローンや3Dスキャナーを使った現況地形計測など、工事現場の作業効率化とプロセスの「見える化」を進める「スマートコンストラクション」を展開しています。

2.製品稼働時のCO2排出削減

コマツでは、製品(建設機械、鉱山機械、林業機械など)稼働時に排出する作業量当たりのCO2を2010年度比で2030年度までに50%削減することを目標としました。
この進捗を評価するために、その年の製品性能と、基準年(2010年度)当時の製品の性能を比較し、燃費、作業効率の改善によるCO2削減貢献効果を見積もりました。その結果、2025年度の製品では、基準年にくらべ、23%のCO2削減が達成されました。

製品稼働時CO2排出指数

image
環境管理部, 総務部

B-4_商品・サービスの気候変動対応_事例紹介

 

カーボンニュートラル実現に向けた現場の電動化を加速

後方超小型旋回型電動ミニショベル「PC30MRE-6」

PC01E-2 正面
PC30MRE-6

本製品は、2023年10月に発売したPC30E-6と同じ作業範囲を維持した上で、バッテリーの小型化により車体後方のコンパクト化と軽量化を実現し、狭所作業性と輸送性を向上させています。JIS(日本産業規格)適合の後方超小旋回型設計により、都市部の狭い現場での管工事や屋内工事、また広い現場で後方に障害物がある場合でも安心して作業できます。さらに、車体の軽量化により、輸送車への積載もPC30E-6に比べて容易になりました。

CSR室, 環境管理部, コーポレートコミュニケーション部, 情報戦略本部, 生産本部, 調達本部, 開発本部, 建機マーケティング本部, ライフサイクル事業部, 地雷除去プロジェクト室, 総務部

B-6_生産におけるCO2削減活動

生産におけるCO2削減活動

コマツは気候変動問題に対応するため、グローバルの拠点で研究・開発や生産活動に使用する電力・燃料ガス・燃料油など全てのエネルギーを対象に、CO2排出量の低減活動を推進しています。

2025年度は、国内外の鋳造・鍛造・熱処理・機械加工等の負荷の高い工場を中心とした省エネ改善と、太陽光やバイオマス発電施設の増設、さらに海外ではグリーン電力の購入の拡大で、CO2排出量を大きく低減しました。また、電力の再生可能エネルギーの使用比率も36%まで向上しました。

なお、2021年度からインターナルカーボンプライシング(ICP, 設定価格CO2 1トンあたり300$)を設定し、Scope1,2の省エネや再生可能エネルギー設備投資判断に活用し、費用対効果分析に基づく環境改善投資を促進するとともに、生産活動の低炭素化に向けた機会の特定と活用を進めています。

  • 価格設定にあたり、価格の根拠や算定方法については「インターナル・カーボンプライシング活用ガイドライン」(環境省、2020年3月)に基づき検討。4種類の価格設定方法の中から「脱炭素投資を促す価格に向けた社内討議(暗示的/インプリシットプライス)」から設定。
項目 2025年度 2030年目標
CO2排出量指数(対2010年度比) 52 50
再生可能電力使用率 36% 50%

2025年度の主な活動

国内

  • 生産性向上、ユーティリティ設備の省エネ改善 
  • 太陽光発電施設の増設、バイオマス発電の拡大 

海外

  • 電力設備の力率改善、鍛造工法改善
  • 太陽光発電施設の増設、グリーン電力の購入拡大

生産活動におけるCO2排出、エネルギー指標

エネルギー起源CO2排出量

エネルギー起源CO2排出量

再エネ電力量と比率

再エネ電力量と比率

エネルギー使用量

エネルギー使用量
  • 電力のエネルギー使用量を省エネ法の一次エネルギー換算値から消費エネルギー量に基づく換算値に変更しました。
環境管理部, 生産本部, 総務部

B-22_生産におけるCO2削減活動_工場改善事例

CO2排出量削減への取り組み

1. 持続可能な未来を支える省エネ型オフィスビルを新設

コマツアメリカ(株)イリノイ州ペオリア工場では、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの活用、および責任ある資源管理を通じて、コマツの長期的なネットゼロ戦略を支援するため、新たな省エネ型オフィスビルを建設しました。本施設は、節水型設備の採用や雨水貯留システムの導入などにより、LEEDシルバー認証※1を取得しています。エネルギー効率の面では、高性能LED照明の採用に加え、自然光を最大限活用するデイライトハーベスティング制御システムや、冷暖房負荷を低減する高性能な建物外皮を採用しています。また、屋上に太陽光発電設備を備えて電力需要の一部をクリーンな再生可能エネルギーで賄っており、持続可能性目標の達成に向けて、残るエネルギー消費分については再生可能エネルギー証書の購入によりオフセットし、施設運営における実質的なネットゼロエネルギーの実現を目指しています。

  1. :建築物の環境性能を評価する国際認証制度「LEED」において、高い環境性能が認められたことを示す認証。

2. 省エネの次なる一歩、英国工場で創エネを開始

英国コマツ(株)の工場においても、省エネルギーの次なる段階としてオンサイト発電に取り組みました。新たに設置したソーラーパネルは1,700kW以上の発電能力を有し、その大半を工場内で自己消費するほか、余剰電力の一部を外部へ送電しています。このプロジェクトは、省エネ化のさらなる推進に加え、コスト削減や将来のエネルギー価格変動への耐性向上を目的とした取り組みです。
コマツグループでは、工場における省エネ化のみならず、オフィスビルの省エネ化や創エネにも積極的に取り組み、温室効果ガス排出量の削減を通じて地球温暖化対策を推進してまいります。

3. 発電・充電・蓄電を一体化した新たなエネルギー活用を推進

小松(常州)建機公司(KCCM)では、構内で使用するフォークリフトのバッテリー化を積極的に進めています。車両の電動化が進む一方で、既存の充電エリアではスペースが不足し、狭い場所で無理に充電作業を行う状況が発生していました。このままでは火災リスクの増大など安全面での課題が懸念されたため、安全に充電できる環境を整備するべく、充電エリアの拡大を実施しました。
新たに整備した充電エリアにはソーラーパネルを設置し、フォークリフトの充電に再生可能エネルギーを活用できるようにしました。また、夜間でも太陽光発電による電力を利用できるよう、小型蓄電装置を併設しています。昼間は太陽光発電による電力でフォークリフトを充電し、余剰電力は蓄電装置に蓄え、夜間は蓄電された電力で充電を行うことで、CO2を排出しない環境負荷の低い運用体制を構築しました。加えて、蓄電装置はフォークリフトの充電だけでなく工場の電力供給にも活用できるよう設計されており、電力単価が高い時間帯に蓄電電力を使用することで、電気料金の抑制にも寄与しています。 このように、発電・充電・蓄電を一体化した設備の導入により、環境負荷の低減、安全性の向上、電力コストの削減という多面的な改善効果を実現しました。
KCCMでは今後も、再生可能エネルギーの活用と安全性向上を両立した取り組みを継続し、持続可能な事業運営に向けた環境改善活動を推進してまいります。

環境管理部, 生産本部

B-9_物流におけるCO2削減

 

物流におけるCO2削減

グローバル輸送のCO2改善状況について

(貨物重量当たりCO2排出量原単位)

コマツは、国内の輸送では内航船や鉄道を活用するモーダルシフト化を推進するとともに、積載率の向上による輸送の効率化を進めています。また、輸出製品の港までの輸送距離を短縮するため、工場に近い金沢港や常陸那珂港を積極的に利用しています。

2025年度の輸送に係るCO2排出量は、国内と海外を合わせたグローバルの排出量は49.5千t-CO2となり、昨年より約3%減少しました。

コマツは引き続き国内、海外の輸送の効率化を推進し輸送に係るCO2排出量の削減に取り組みます。

輸送におけるCO2排出 国内輸送

輸送におけるCO2/sub>排出 国内輸送

輸送におけるCO2排出 海外輸送

輸送におけるCO2/sub>排出 海外輸送
環境管理部, 生産本部

B-23_物流におけるCO2削減 KCC

持続可能性の推進:低排出輸送への取り組み

チリにおいて、道路貨物輸送は国内総エネルギー消費の約32.2%を占め、温室効果ガス(GHG)排出量の約28.7%を担っています。したがって、本セクターは同国の気候変動対策目標の達成に向けた重要な要素となっています。

このような背景のもと、コマツ・コマツカミンズチリは、企業方針およびグローバルガイドラインに沿い、スコープ1およびスコープ2の2030年目標達成に向けたGHG排出削減のみならず、スコープ3排出への対応にも取り組んでいます。特に、道路貨物輸送に伴う排出量の削減に重点を置いています。

その一環として、同社はコマツの部品および機械の輸送に特化した26台のトラックからなる基幹物流ネットワークを運営しています。このネットワークは、イキケからサンティアゴまでの間にある18の物流拠点、空港、および顧客を高頻度で結び、年間約3,091,176kmをカバーしています。

よりクリーンな輸送へのロードマップの一環として、コマツカミンズチリは電動化および低排出技術の段階的導入に取り組んでいます。現在、主力車両26台のうち13台(50%)が電動車であり、主に都市部の短距離配送に使用されています。これらの車両は2025年度中に段階的に導入され、CO2換算で81トンの排出削減を実現しました。さらに、全面稼働が見込まれる2026年度には、年間273トンのCO₂換算削減が見込まれています。

また、主力車両26台のうち11台(42%)にはEuro VI規格対応技術が採用されており、国内の都市間長距離輸送に活用されています。この技術により、窒素酸化物(NOx)は最大50%、粒子状物質は最大90%削減され、大気質の改善および公衆衛生の向上に大きく寄与しています。

これらの取り組みは、輸送サービスプロバイダーとの戦略的パートナーシップおよび緊密な連携を通じて実施されています。具体的には、調達プロセスの初期段階から事前に定めた技術評価に基づきクリーン技術要件を組み込み、新規車両の導入、インフラ整備、業務プロセスの適応を含むサービス展開を共同で管理することで、円滑な移行およびサービス水準の確実な維持を図っています。

今後、コマツカミンズチリは低排出技術の展開を段階的に拡大し、国内各地の鉱山拠点向け輸送ルートへと適用範囲を広げていく計画です。これらの取り組みは、排出削減への具体的な貢献にとどまらず、持続可能な開発へのコミットメントを強化し、ステークホルダーに対する長期的な価値創出と、持続可能かつ責任ある事業運営の構築に寄与するものです。

  • 出所: National Energy Balance 2023 (Ministry of Energy) and National GHG Inventory 2024 (Ministry of Environment).
環境管理部, 生産本部