リマン工場/センタ マップ
リマン取扱高推移(2010年度を100とした指数)
リマン工程図
リマンとは再生を意味する「Remanufacturing」の略語です。
この事業は長時間稼働した建設機械や鉱山機械からコンポーネントを回収したあと、リマン工場で新品同様に再生し、お客さまのオーバーホール(分解・点検・修理)のタイミングなどにあわせて提供するビジネスです。リマン事業の主な対象である鉱山機械は購入後約10~15年使用され、そのライフサイクル(生涯稼働時間)において部品の修理や2~3回のコンポーネント交換によるオーバーホールが不可欠です。
リマン製品は新品と同等品質でありながら、新品のコンポーネントよりも安い価格を実現しており、コマツのリマン事業は、環境貢献とお客さまのライフサイクルコスト低減に寄り添う資源循環ビジネスとして成長を続けています。
リマン事業は、エンジン・トランスミッション・モーターなどのキーコンポーネントを自社開発・自社生産している強みを活かしたビジネスモデルです。自社開発・生産のため、設計・製造工程の技術情報どおりにコンポーネントを再生することにより、品質・納期・コスト面で競争力のあるリマン製品となります。また、分解したコンポーネントから耐久性に関する情報などを開発部門にフィードバックすることで、商品開発や品質強化および更なるサービス性の向上に活かしています。
リマン事業はお客さまだけでなく、地球環境・販売代理店・コマツの4者にとって価値のあるビジネスです。
① お客さま:リマン製品を選ぶことで保有する機械のライフサイクルコストを低減できます。また、休車時間を最小限にすることでお客さまの生産性向上を図ることができます。
② 地球環境:回収したコンポーネントを廃棄せずに再利用することで、新品を作った場合に比べ2024年度は約47,355トンのCO2削減効果があると試算されています。
③ 販売代理店:リマンを訴求点としたさらなる新車販売の拡大による収益向上及び顧客接点の強化が期待できます。
④ コマツ:お客さまの課題解決に寄与し顧客価値を最大化することで、次もコマツを選んでいただく決め手になります。また、リマン事業は収益性が高いだけでなく、回収部品から得られるデータを次の新商品開発に活かせる点で、製品の品質向上にも貢献しています。
コマツでは、ハイブリッド油圧ショベル・ディーゼルエレクトリック車など、燃費効率が高い製品の開発によって製品が排出するCO2の削減に取り組んできました。これらの配車台数の伸長に伴い、リマン事業においても、2023年11月にハイブリッド油圧ショベルのキーコンポーネント(キャパシター・インバーター)のリマンを開始しました。これにより、コマツで開発・生産しているキーコンポーネントはほぼリマン対応が可能となりました。(一部地域のみに事業展開しているものも含む)さらに今後は、カーボンニュートラルの実現に向けた建設機械の電動化に伴い、バッテリーなどのリマンメニューにも対応中です。さまざまなパートナーとの協働を通して技術を蓄積し、新たなリマンビジネス事業の可能性を探っていきたいと考えています。
コマツでは、製品に使用される希少物質の再利用等により限られた資源の保全と有効利用に取り組んでいます。
建設機械に使用されるディーゼルエンジンでは排ガス中のNOx(窒素酸化物)や、PM(粒子状物質)の濃度を減らすため、排気ガス処理装置の搭載が進んでいます。これらの排ガス処理装置では、NOxやPMの濃度を低減するために触媒として貴金属が用いられており、これらの資源有効利用のため、たとえば日本の小山工場では、稼働している建設機械の排ガス処理装置の性能維持のために交換した装置を回収し、貴金属をリサイクルしたり、あるいは再生処理により再度使用可能な状態として希少資源の有効利用を図り、あらたな希少資源の使用量を減らしています。
コマツは廃棄物排出量を減らすとともに、排出した廃棄物を再資源化して有効活用する「ゼロエミッション」活動を推進しています。
国内の生産事業所では、主に廃プラスチックの有価物化や輸送荷姿の改善による木くずの削減、梱包資材の再利用などの取組みをしています。また、海外でも廃棄物の分別による再利用化を積極的に推進しています。2024年度は鋳造工程で使用する砂の有効利用化や、梱包資材をはじめとしたプラスチック廃棄物の削減を推進し、廃棄物排出量を大きく低減しました。これによって排出量の原単位は2010年度比で58%を低減しました。
項目 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年目標 |
---|---|---|---|
廃棄物排出量原単位指数 (基準年:2010年) |
46 | 42 | 60 |
《国内》
《海外》
廃棄物発生量第三者保証
コマツは国内北陸地区の工場で特に水使用が多いことを認識し、冬季の融雪目的の水利用の最適化を図るとともに、生産工程では設備の冷却水の循環利用や水冷設備の空冷化などの改善を進め、水の新規投入量を削減しています。
2024年度は全体の水の投入量は前年と比べて大きく削減し、原単位は2010年度比で72%低減しました。
項目 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年目標 |
---|---|---|---|
水投入量原単位指数 (基準年:2010年) |
33 | 28 | 30 |
《国内》
《海外》
水投入量第三者保証
私たちコマツインドネシア(KI)は、あらゆる事業活動を通じて環境負荷の低減と環境保全に努めています。
その取り組みの一つとして、節水活動があります。
コマツインドネシアは、この活動の一環で、2013年に排水処理施設に微細な異物も除去できる限外濾過(UF)フィルターを設置し、水のリサイクルを開始しました。
ここで再生処理し回収された水は、生活用水と生産用水の両方に利用されています。
そしてリサイクル水量をさらに増やすために雨水の活用を検討し、雨水利用システムを導入しました。
このシステムでは、貯水槽に集められた雨水を浄化し、きれいな水を作り出します。
これらの取り組みにより、過去10年間でリサイクル水の利用率を総給水量の約50%まで向上させることができました。
また、UFフィルターの容量増加やラメラクラリファイアの設置による固形物と液体の分離効率向上など、水のリサイクル量増加に継続的に取り組んでいます。
これらの取り組みの結果、私たちの活動による水のリサイクル率は70%にまで向上しました。
最近では、敷地内の池の水を直接緑地の灌漑に利用するシステムを導入し、水使用量を大幅に削減しました。
コマツインドネシアは、これらの課題に引き続き取り組み、改善に取り組んでいきます。そして私たちは、効率的な水利用を最優先事項と捉え、節水活動に引き続き取り組んでいきます。
水使用量(KI)