リマン工場/センタ マップ
リマン取扱高推移(2010年度を100とした指数)
リマン工程図
コマツは、お客さまの現場で長期間稼働した建設・鉱山機械から取り外したエンジン・トランスミッションなどのコンポーネントを回収し、分解、洗浄、部品再使用判定し部品加修後に再使用もしくは部品交換、再組立、性能検査、塗装、出荷検査などいくつもの工程を経て新品同様によみがえらせ、再び市場に供給する「リマン事業」を世界の11ヶ国に設置したリマン工場/センタで推進しています。これらの拠点は各々単独で機能するだけでなく、各リマン拠点をネットワークで結び、リマンに必要な技術情報をグローバルで共有しています。また、市場で稼働しているリマンコンポーネントの耐久性情報を把握し、コマツが最適な寿命を有するコンポーネントを開発するうえで重要な情報をフィードバックしています。また、リマンにより、新品を作った場合に比べ、2023年度でおよそ40,416トンのCO2削減効果があると見積もられました。
リマンとは「再生」を意味する「Remanufacturing」の略語で、お客さまに次のようなメリットを提供しています。
コマツは、コマツチリ(チリ共和国・サンチアゴ)においてアントファガスタ州ラネグラ地区に新リマン工場を開設しました。当工場はチリ北部地域の鉱山で稼働する超大型エレキダンプトラック等をサポートするため、高品質、高効率なリマンコンポーネントを製造し、提供していきます。本リマン工場はコマツグループの生産技術力をベースに機能集約、工程最適化を行い、面積生産性や作業環境改善を実現しました。更に部品倉庫の集約、効率化を行い、お客様への迅速かつ高品質なリマンコンポーネントを年間9千トン提供し、廃棄物削減、資源循環に貢献していきます。
今後、更に環境負荷を低減したクリーンな工場を目指し、以下の活動を進めていきます。
1.太陽光発電の導入およびグリーンエネルギー事業者からの100%再生可能エネルギーによる操業
2.プラント水の再利用システムや緑地灌漑システム導入
コマツでは、製品に使用される希少物質の再利用等により限られた資源の保全と有効利用に取り組んでいます。
建設機械に使用されるディーゼルエンジンでは排ガス中のNOx(窒素酸化物)や、PM(粒子状物質)の濃度を減らすため、排気ガス処理装置の搭載が進んでいます。これらの排ガス処理装置では、NOxやPMの濃度を低減するために触媒として貴金属が用いられており、これらの資源有効利用のため、たとえば日本の小山工場では、稼働している建設機械の排ガス処理装置の性能維持のために交換した装置を回収し、貴金属をリサイクルしたり、あるいは再生処理により再度使用可能な状態として希少資源の有効利用を図り、あらたな希少資源の使用量を減らしています。
コマツは廃棄物排出量を減らすとともに、排出した廃棄物を再資源化して有効活用する「ゼロエミッション」活動を推進しています。
国内の生産事業所では、主に廃プラスチックの有価物化や輸送荷姿の改善による木くずの削減、梱包資材の再利用などの取組みをしています。海外でも廃棄物の分別による再利用化を積極的に推進しています。2023年度は海外の工場で鋳造工程で使用する砂の有効利用化を推進し、廃棄物の排出量を大きく低減しました。これによって排出量の原単位は2010年度比で54%を低減し目標を達成しました。
項目 | 2022年度 | 2023年度 | 2030年目標 |
---|---|---|---|
廃棄物排出量原単位指数 (基準年:2010年) |
62 | 46 | 60 |
《国内》
《海外》
廃棄物発生量第三者保証
大阪工場で発生するプラスチック使用製品産業廃棄物は外部業者に委託処理を行い、固形燃料化やサーマルリサイクル化に寄与してまいりました。こうした中で国内ではプラスチック廃棄物に関する環境問題に対応する動きがあり、2022年4月1日に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されました。
社会全体での資源循環の加速化に伴い大阪工場でも再資源化のレベル向上を図るべく、プラスチック使用製品廃棄物の有価物化に取り組みました。プラスチック使用製品は多種の材質が使用されており、これをまとめて有価物化を図ることが困難であることから、まず初めに材質が単一で品質変動が少ないポリエチレン製梱包資材に着目し、これを適正に分別する活動の強化を図りました。
その結果、2022年度から農業用容器等のプラスチック製品への原料として活用する有価物化を実現しました。現在はポリプロピレンのプラスチックケースやプラスチックパレットの有価物化を検討しており、これからも再資源化をさらに拡大していくよう取り組みを進めて行きます。
コマツ物流ではコマツの建設機械の主要部品であるトランスミッションのサブ組立を行い、コマツ茨城工場に納入しています。納入時には、雨濡れなどで、品質上の問題が出ないようにビニール袋をかぶせています。
茨城工場では納入された部品を効率的に運搬できるようにレイアウト改善が進められていました。
そこで、コマツ物流はトランスミッションの置場を雨濡れなどの品質リスクの少ない屋根のある場所に変更するよう提案を行いましました。
その提案が茨城工場で採用され、トランスミッションの置場が屋根のあるエリアに変更され、雨濡れなどの品質リスクも少なくなりました。
品質リスクが少なくなったことから、関係者による協議を進めた結果、最終的にはビニール袋をかぶせること自体が不要となりました。
この改善で、ビニール袋の購入費用とビニール袋をかぶせたり取外したりする作業を廃止することができ、コストと廃棄物発生量の両方の削減を達成することができました。
今後も様々な場面に目を向け、過剰な梱包やムダな輸送などが無いか確認し改善を進めてまいります。
コマツは、間接部門における環境活動も積極的に実施しています。2023年度は、本社ビル建て替えに伴う2024年1月の一時移転に向けて、備品類や飛沫防止パネル、椅子や机などの什器類の多くが廃棄されることになりました。これらの廃棄品を対象として、コマツグループ内をはじめ、みどり会企業などの社外団体に向けてリユース活動を実施しました。その結果、多くの廃棄品は有効活用されることになり、さらに、ISO14001外部審査において、廃プラスチック削減及びCO2削減パフォーマンス向上の活動として、高い評価をいただきました。
コマツは国内北陸地区の工場で特に水使用が多いことを認識し、冬季の融雪目的の水利用の最適化を図るとともに、生産工程では設備の冷却水の循環利用や水冷設備の空冷化などの改善を進め、水の新規投入量を削減しています。
2023年度は全体の水の投入量は前年と比べて削減しましたが、原単位は前年度から2ポイント悪化し33になりました。
項目 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年目標 |
---|---|---|---|
水投入量原単位指数 (基準年:2010年) |
31 | 33 | 30 |
《国内》
《海外》
水投入量第三者保証
コマツ アンダーキャリッジ インドネシア(株)は、将来のためにきれいな水を守ることに尽力しています。水は健康だけでなく、貧困削減、食糧安全保障、平和と人権、生態系、教育にも不可欠です。
このような理由から、コマツアンダーキャリッジインドネシアでは、社長の方針に基づき、施設の導入や水利用に対する意識向上など、全従業員がこれらの活動に貢献しています。コマツアンダーキャリッジインドネシアでは、2010年度より資源の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みを開始し、2023年度には水投入量の原単位を約60%削減することに成功しました。
コマツ アンダーキャリッジ インドネシアでは、2015年度に排水をリサイクルする水処理プラントを導入設置し、洗浄排水を貯める地下水タンクも設置しました。2023年度には、リサイクル水の水質を浄水基準内に改善しその容量も向上させ、さらにこれらと並行して排水路に堰を設けて雨水貯留槽も設置しました。
この改善でコマツ アンダーキャリッジ インドネシアでは、約 800 m3/月の浄水量を再生できるようになり、同量の新規取水量を削減しました。今後は、さらに排水の再生量を増やして 水投入量の原単位を基準年から 70%を 削減する中期目標を達成するように貯水池と雨水貯留槽の拡大の取り組みを進めます。