コマツは、国や自治体の法規制を順守し、実測結果の定期的報告や保管等を確実に実施しています。
2025年度は、環境に関する軽微な違反が国内で5件、海外で1件発生しましたが、罰金は科せられておらず、全て対応済みです。
土壌・地下水の調査に関するガイドラインを定め、売却あるいは閉鎖・撤去計画のある事業所については法令に基づいて調査を行い、汚染がある場合は自治体の確認のもと浄化対策を行うことにしています。
また、稼働中の事業所においては、過去に洗浄液などに使用した揮発性有機化合物(VOCs)による汚染の有無を確認するために自主的な調査を行い、浄化対策を進めています。
2005年から国内の事業所でVOCsに関する土壌・地下水の調査を行い、汚染が確認された場合は対策工事を実施してきました。浄化方法はできる限り短期間で浄化できる方法を採用しています。
今後も、確実に浄化作業を推進していくとともに、敷地外へ基準を超えた地下水が流出していないことを確認するために、敷地境界での定期的な地下水のモニタリングを継続していきます。
変圧器や蛍光灯の安定器などのPCB廃棄物は、国内事業所においてはPCB特別措置法や廃棄物処理法に基づき、適正に保管・処理しています。
高濃度PCB廃棄物については処分期限(2023年3月末)までに対応しましたが、25年4月に入ってから一部の事業所において、古い建物から高濃度PCBを含有した蛍光灯の安定器が発見されました。これについては速やかに行政へ報告のうえ処分を実施するとともに、社内での水平展開を行い、他事業所における同様の機器についても確認および処理を完了しています。
また、低濃度PCB廃棄物については処分期限が2027年3月末までとなっていることから、引き続き計画的に処理を進めていきます。
2025年度の取扱量1トン以上(特定第一種は0.5トン以上)のPRTR※対象物質は29物質で前年度と物質数に変化はありません。
PRTR対象物質は、キシレン、エチルベンゼン、トルエンの3物質が、コマツおよびコマツグループ生産事業所の排出量の約76%を占めています。またそのほとんどが大気への排出となっています。
2025年度は各事業所でPRTR1種含有の少ない塗料、シンナーへの変更を進めており、取扱量も減少しています。
2026年度もPRTR1種含有の少ない副資材への切り替え、塗着効率向上、塗膜厚の削減、シンナーの再生利用など改善に努めていきます。
国内グループ生産事業所

注)取扱量1t以上(但し、特定第一種は0.5t以上)
国内グループ生産事業所
注)取扱量1t以上(但し、特定第一種は0.5t以上)
VOC排出量の大部分は塗料やシンナーに含まれるキシレン、エチルベンゼンなどのVOCです。
2025年度の排出量は2024年度より約9%減少しました。今後も排出量低減に努めてまいります。
国内グループ生産事業所

海外の環境保全の高まりに対応し、コマツは早期からアスベスト、鉛などの環境負荷物質削減に取り組んできました。1999年度には、化審法の禁止物質や各国規制の禁止物質をベースに、使用禁止物質、使用制限物質を定め、環境負荷物質のトータル管理を開始しました(下記「製品への使用禁止・使用削減対象の環境負荷物質」参照)。
昨今はREACH※1およびSCIP※2対応をベースとして、使用制限物質の見直しと削減または禁止を推進しています。サプライヤーの協力のもとに、製品中の負荷物質の管理強化のための管理システムを導入し国内、欧州法人で運用開始し、その他海外現地法人でも運用を進めています。
このシステムを利用して現EU向け輸出車・EU現地法人生産車のみならず、新規開発機種に対しても確認を実施、さらに継続的に登録される追加SVHCに対しても、都度再確認を実施しています。
2026年5月時点では253物質ですが、半年毎に追加され、将来は1500まで増えるといわれ、もれなく管理するため、ルーチンワークフローを作成しています。

| ランク | 数 | 物質名 |
|---|---|---|
| 禁止 |
27 |
|
| 削減 (限定使用) |
15 |
|
| REACH規制 高懸念物質 (SVHC) |
(253)※5 |
コマツの製品に使用している可能性がある以下の物質は管理対象。
|
このような使用禁止、削減を進めています。
建設機械などに使われるディーゼルエンジンから排気されるガスに含まれるNOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)を減らすために排出ガス規制が設けられ、よりクリーンな排気ガスとするよう、開発を進めてきました。2025年度には、生産された建設機械のおよそ78%が米国Tier-3、EU StageⅢA以上の規制に対応しています。その結果、コマツが生産した建設機械製品から排出されるNOxとPMの平均値は以下のとおりです。
NOx,PM平均排出値
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|
| NOx(g/kWh) | 3.7 | 3.9 | 3.5 |
| PM(g/kWh) | 0.19 | 0.19 | 0.17 |
地球温暖化によってもたらされる気候変動や人口増加などにより、河川氾濫、渇水、水不足などの水リスクが世界中のいたるところで顕在化し、年々深刻さを増しています。
わたしたちコマツグループは、すべての人が安全で衛生的な水を享受する権利を重要な権利の一つとして尊重しています。そして事業を展開する上で、わたしたちはその水に依存し、かつその水量と水質に影響を受けまた影響を与えていることを十分に理解しています。それ故に、環境負荷を低減する生産活動、優れた製品・サービスの提供、水リスクへの適切な対応を通して、地域の水資源を確保し水の安全性を守っていきます。このような取り組みをオールコマツで展開し、地球の環境保全につなげて行くことが、わたしたちのゴールです。
以上の取り組み全体を通じて、世界共通のゴールであるSDGsに貢献していきます。
コマツグループでは、地球環境方針のもと、水の使用量削減とリサイクルの推進、そして水質保全を中心にした活動を展開してきました。2023年には、生産/非生産を問わず国内外の主要な事業所計58拠点を対象とした「水リスク調査」を実施しました。この調査では、①WRI Aqueductを用いた汎用的で客観的な水リスクの抽出、②コマツが重要と考えている水リスクに対する主観的な意識調査、①②を組み合わせることで、より網羅的な「水リスク調査」を実施しました。
この「水リスク調査」の結果、コマツグループには、水不足(水ストレス)のリスクや河川氾濫による洪水といった災害リスクの高い地域が一部あることが分かりました。
今後も、定期的に「水リスク調査」を実施し、コマツグループの水に関する課題をアップデートしていきます。
上水(水道水/市水)、工水(工業用水道水)、井水(井戸水)といった生産活動に必要な水資源の利用に関して、コマツグループの国内外の主要生産30拠点を対象に水ストレスリスクをWRI Aqueductを用いて調査しました。
2023年時点で水ストレスリスクが「高」あるいは「中~高」と評価された拠点の水使用量は、全体の6%程度となりました。また、コマツ全体の水使用量の約68%が井水であるのに対し、水ストレスリスクが「高」レベルの拠点で使われる水は全量が上水であり、その地域の水資源確保の点からも水使用量削減、水リサイクルが重要であることが分かりました。
今回の調査結果を、水使用量(投入量)削減や水リサイクル推進、および大雨・洪水などの物理リスクへの適応といった従来の活動に活用し、コマツグループ全体の水リスク低減を図っていきます。また事業拠点の新規建設や移転の計画の際には、その地域の水ストレス調査を行い、リスクレベルの確認を実施していきます。
大雨対策として、構内100mm/h降雨でも、1時間分の貯水を可能とする3つの貯水池と大雨送水管、地下貯水タンクを設けるとともに、雨水溝を拡張しています。
また、敷地外に流れ出ないように止水壁、止水板を設置しています。
KIPL:大雨の際に部品倉庫やリマンショップに河川氾濫水が侵入する可能性があることから、下記の対策を講じています。
KRA:この地域では降雨量が多く、また渓谷に位置しているため、敷地内に水が侵入する可能性があります。水侵入を防止するために下記の対策を講じています。
また、主要サプライチェーン(みどり会)にも「水リスク調査」を実施済で、2017年度から「水リスク低減活動」に協力してもらっています。
コマツは海外現地法人におけるリスク予防のため、2007年度に環境監査を開始しました。その後、コンプライアンス・リスク監査(CR監査)として計画的に実施しています。
2025年度はチリ、欧州、中国を対象に監査を実施しました。監査は、国内マザー工場の環境担当者の支援のもと、当社で作成した監査チェックシートを事前に現地法人へ送付、各社の自己チェック結果を踏まえて実施しています。監査の結果として、各社ともに環境リスクにつながるような大きな問題はなく、環境負荷低減活動に積極的に取り組んでいました。
今後も、監査のフォローアップを行うとともに、他地域の現地法人においても環境監査を行っていきます。
| 年度 | 地域 | 年度 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 2007 | 中国 | 2017 | ロシア・中国 |
| 2008 | ― | 2018 | インドネシア・ブラジル |
| 2009 | タイ・インドネシア | 2019 | 中国・アメリカ |
| 2010 | インド | 2020 | 欧州 |
| 2011 | ブラジル | 2021 | 中国・欧州 |
| 2012 | ロシア・チェコ | 2022 | 東南アジア・アメリカ |
| 2013 | アメリカ | 2023 | 欧州・中国・アメリカ |
| 2014 | アメリカ・ブラジル | 2024 | インドネシア |
| 2015 | タイ | 2025 | チリ・欧州・中国 |
| 2016 | インド・インドネシア |
コマツは、3年に1回日本でのグローバル環境会議、それ以外の2年間は、地域毎に地域環境会議を開催しています。これらの会議では、各地域が抱えている課題について情報交換や話し合いをすることで、各事業所のコンプライアンスリスクの低減や環境活動レベルの向上を目指しています。
2025年度は、北米、中南米、欧州、東南アジア、中国、大洋州、南アフリカで地域会議が開催されました。今後も、このような活動を通じて、コマツグループの環境活動をさらに活性化していきたいと考えています。