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Theme 1 : Enhancing Quality of Life 重点分野1:生活を豊かにする

商品やソリューションの安全性向上

いー1_商品やソリューションの安全性向上による価値創造

商品やソリューションの安全性の向上

イノベーションは、環境性能や経済性など、さまざまな価値を生み出します。その中で私たちが何よりも優先しているのは「安全性」です。

安全な商品の提供に始まり、究極の安全性といえる無人運行システムまで、イノベーションを駆使して、安全の面からも、お客さまの価値創造を追求しています。

現場オペレーションの安全に向けて

安全性の高い商品をお客さまに提供することは、メーカーとして最優先の責務です。常に最新の国際的な規制・標準に対応することはもとより、他社の追随を許さない「ダントツ」の安全性を備えた商品を、お客さまにお届けします。

それと同時に私たちが目指しているのは、お客さまの現場オペレーションの「あるべき姿」を実現させる、イノベーションによる安全性向上です。

コマツは、作業機の自動制御を実現したICTブルドーザー(2013年)およびICT油圧ショベル(2014年)を市場導入しました。ICT建機はオペレーターの経験を問わず、熟練者のような高い精度の施工を可能にします。これにより、従来必要とされた補助作業員が不要となり、また「丁張り」という人手による工程が不要となるため、現場の省人化が実現され、安全性が向上します。

さらに究極の安全を実現するのが「無人運行システム」です。オーストラリアやチリ、カナダの大型鉱山で本格稼働している、無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System以下、AHS)は、300トンもの土や鉱物を運搬する超大型ダンプトラックが、自律走行するシステムです。鉱山の過酷な環境で、多数の建設機械や車両を24時間安全に稼働し続けるために、お客さまは最大限の注意を払います。そのお手伝いをするのがAHSです。通信衛星や各種レーダー、センサーなど、最先端の技術を組み合わせたこのシステムは、安全を追求するお客さまの多様化する要望に応えるため、さらなる進化を続けながら、お客さまの現場の「あるべき姿」の実現に貢献しています。

安全への取り組み事例

「KomVision人検知衝突軽減システム」を日本国内に市場導入

KomVision人検知衝突軽減システムを搭載したPC200-11
KomVision人検知衝突軽減システムを搭載したPC200-11

コマツは、2020年から、自社開発した「KomVision人検知衝突軽減システム」を業界で初めて油圧ショベル(※1)に標準装備し日本国内市場への導入を開始しました。
当システムは、従来国内市場で標準装備されている機械周囲カメラシステム「KomVision」の機能を向上させ、機体の周囲にいる人をシステムにより確認し、走行または旋回起動時に人を検知した場合、機体の発進を制御するものです。また、低速走行中に人を検知した場合、機体を停止させます。これらの機能により、走行起動時、低速走行時、旋回起動時に機体と人との衝突事故発生の抑制に寄与します。
当システムは、2019年12月より発売開始した油圧ショベル「PC200-11」に標準装備として搭載するとともに、既存の従来型建機(※2)についても「KomVision」のソフト変更により当該システムのレトロフィットが可能となり、幅広いお客さまへ当システムをお届けすることで、建設現場の安全をサポートするシステムの普及を推進します。
今後は、他モデル(※3)への標準装備を順次展開するとともに市場要望の収集やサポートを行い、更なる安全支援システムの向上を目指します。

【KomVisionの人検知構造】

1.4台のカメラとモニターで、周囲の状況を確認

4台の単眼カメラを用いて機体周囲をモニター上に表示します。また、機体の右側方、右前方、左側方、後方の画像に切り換えることができます。

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2.人を検知したら、ブザーで注意喚起/機体停止

検知エリアまたは停止制御エリアで人を検知すると、モニター上にマーカー(黄色い丸または赤い丸)を表示すると共に、ブザーを鳴らすことによってオペレータに注意を促します。

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※1:油圧ショベル「PC200/200LC-11,PC210/210LC-11」に標準装備
※2:油圧ショベル用KomVisionの搭載車両のみソフト変更で対応。条件によってはカメラ交換とソフト変更を伴う場合もある。
※3:12t~40tの日本国内の油圧ショベル(油圧ショベル用KomVisionの搭載車両)に展開予定。一部の特別仕様車(2ピースブーム、スーパーロングフロント、スライドアーム等)は未対応。

  • 本システムは、あらゆる条件で衝突を軽減する装置ではありません。性能には限界があります。
    本システムの間違った使い方や本システムのみに頼った機体操作の場合には、事故が発生する可能性があります。
  • 本システムをお使いになる前には、必ず取扱説明書をお読み頂き、システムについて理解し、正しくおつかいください。
  • 本システムは、わき見操作や漫然な操作など、オペレータの不注意を防止するための装置ではありません。
  • 高速または中速走行、旋回中や作業機の稼働に関しては、停止制御を行っていません。
  • 前方や作業機可動域、カメラで検知できる範囲外に対象物がある場合、機能は作動しません。
  • 検知する対象物の状況(走ってくる、しゃがんでいる、周囲の色と明暗が少ない服装等)、カメラの状況(レンズ面の付着物、くもり等)、作業環境(悪天候、薄暗い、逆光、または夜間、水蒸気や煙が漂う等)によって、人を正しく検知できない可能性があります。
  • 下記の条件の際、本システムにより機体が急停止して不安定になる可能性があるため、周囲の安全を確保して運転操作下さい。
    (つり荷走行、急斜面での作業、滑りやすい路面や地盤の柔らかい現場での作業)
    また、トレーラへの積み込み、積み下ろしの際に、本システムにより機体が急停止し不安定になるため、人検知衝突軽減システムをOFFにしてください。

イノベーションによる価値創造

中期経営計画の成長戦略3本柱の1つであるイノベーションによる価値創造の重点活動の1つとして、「建設・鉱山機械・ユーティリティ(小型機械)の自動化・自律化、電動化、遠隔操作化」に取り組むとともに、モノ(建設機械の自動化・ 高度化)とコト(施工オペレーションの最適化)の両方で施工のデジタルトランスフォーメーションを実現し、お客さまとともに安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指しています。既に市場導入を実現した鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS) については、さらなる強化を進め、2021年3月末時点の総稼働台数は累計352台と なりました。鉱山現場の自動化に加え、最適化プラットフォームの構築を進め、鉱山のお客さまの安全性向上およびオペレー ションの最適化を推進していきます。また、2020年11月には、株式会社NTTドコモと共同で、商用の第5世代移動通信方式(商 用5G)による鉱山向け大型ICTブルドー ザー「D375Ai-8」の遠隔操作の実証実験に日本国内で初めて成功しました。

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商用5Gを利用した鉱山向け大型ICTブルドーザー「D375Ai-8」の遠隔操作 左:大分県にあるブルドーザー 右:東京都に設置された遠隔操作卓

また、2020年4月には、建設現場で稼働している既存の従来型建機に、3D-マシンガイダンス機能やペイロード機能などのICT機能を提供する後付けキット「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」を導入開始しました。 油圧ショベル(6トン以上クラス)であれば、当社製建機だけでなく機種を問わず後付けが可能であり、2020年11月以降には、ミニショベル(6トン未満クラス)にも適用を拡大しました。今後のさらなる普及を目指し、コマツグループが保有するレンタル機へ装着して日本国内市場へ導入しました。コマツグループは、建設現場のデジタルトランスフォーメーションの実現を加速させていきます。

循環型林業のイノベーション
-林業の安全性と生産性の向上に貢献-

コマツグループでは、SDGsの達成に貢献する林業を重要な産業と位置づけています。林業では、造林・育林・伐採の循環型サイクルの実現に貢献していくことが重要であり、森林環境に配慮した事業運営が求められています。また、労働災害率が高く、効率性を向上するなかで安全性を確保するといった課題もあります。
コマツグループは、循環型林業のイノベーションに貢献すべく、製品の提供やIoTを使ったサプライチェーンの見える化を推進しています。

植林分野においては、D61ブルドーザーをベースとした自動運転植林機を開発し、2019年12月からブラジル市場への導入を開始しました。本製品により1時間当たり900本の植林が可能となり、約7割の作業工数の削減を実現するとともに、 炎天下での人手による植林を機械化することができます。植林位置を記録することによる将来の伐採計画の効率化など、ブラジルの林業の持続的発展への貢献も期待されています。

また、林業の労働災害がもっとも多いとされる伐採・搬出作業においては、斜面でも人が地面に下りることなく安全に伐採・搬出ができる林業機械の開発・販売を進めています。このほか、森林内で伐採・搬出作業を行う機械においては、接地圧の低い8輪型のハーベスターを開発し、森林の根を傷めることがないように配慮しています。

さらに、林業サプライチェーンの見える化を実現するため、スマート林業構想に取り組んでいます。日本ではドローンによる調査を植林・育林の管理、森林資源量の推定に用いていますが、これにより、伐採のための調査の作業工数が1ヘク タール当たり5人・日程度から1人・日程度に改善されます。また、ICTハーベスターを用いた造材・仕分け作業では、作業工数が1ヘクタール当たり13人・日程度から0.5人・日程度に改善されます。その他、オープンプラットフォームのランドログに集積される造材・搬出のデータを活用するためのアプリケーションの開発にも注力しており、将来的には、木材市場や木材需要家の情報を林業事業者と共有し、事業運営の効率化にいっそう貢献していきます。

今後もさらに林業の安全性や生産性の向上に貢献し、グローバルに循環型の林業の振興を支えていきたいと考えています。

自動運転植林機D61EM-23M0
8輪型のICTハーベスター901XC
CSR室, 環境管理部, コーポレートコミュニケーション部