With people 人と共に

コマツの人的資本に関する取り組み

うー1_コマツウェイ・人材の育成に関する方針

 コマツの人的資本に関する取り組み

コマツでは人材は新しい価値を生み出す重要な経営資源の一つと捉えており、こうした考えの下で継続的に人材への投資を行っています。具体的には、賃金のみならず、手当・賞与・福利厚生、さらには人材育成施策の拡充も含め、幅広く人材への投資として捉え、継続的に取り組むことで、社内外の環境変化や経営方針との連動を意識しながら、会社・従業員双方の持続的な成長・発展を目指しています。
また、グローバルに発展し、持続的に成長していくため、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観として「コマツウェイ」を2006年に明文化し、世界中の社員への浸透を図っています。この活動を土台としながら、人材育成に関する取り組みを継続しています。

各種施策の推進体制

コマツは、社長を委員長とし、各事業・機能責任者で構成される「コマツウェイ推進委員会」を年2回(ほか必要時)開催し、グループ全体の人事、労務、教育・人材育成、福利厚生に関する方針及び重要な施策の審議・決定とその実施を促進しています。更にコマツウェイ推進委員会における検討内容は取締役会に報告し、審議を受けています。

グローバルな人事方針

コマツグループ各社は、「グローバルに多様な人材が一つのチームとして、事業の成長に貢献できる環境」の実現を目的とし、以下の基本方針に基づき、各地域の事情を反映した、その地域にふさわしい人事制度を構築しています。

  1. 社員を個人として、その人権とともに個性、人格、プライバシーを尊重する。
  2. 社員一人ひとりを公正に評価し、雇用機会の均等を含め公平に取り扱うとともに、多様性を尊重する。国籍、人種、民族、肌の色、性別、性的指向、性自認、年齢、宗教、先祖、障がいの有無、婚姻の状態等を理由とした不当な差別は、絶対に行わない
  3. 社員の心身の健康およびワークライフバランスに配慮し、充実した業務遂行ができる環境作りに努める。
  4. 働きやすい職場環境を阻害する不当な言動は、これを許さない。特に役員および社員は、様々なハラスメント(職場内外でのパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントおよび妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメント等)を行ってはならない。
  5. 諸制度の設計および運用は社員に納得性のあるものとする。また、制度は正しく社員に伝え、可能な限りオープンなものとする。
  6. それぞれの地域で、労働者の権利に関する法令を遵守するとともに、社員個々人またはその代表者との対話・協議にあたっては、これに誠実に対応する。
  7. 児童労働・強制労働は絶対に行わない。
  8. それぞれの地域で、競争力のある労働条件を設定する。
  • 懲戒事由として、「人権を侵害する行為(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントおよび妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメント等を含む)」を規定

コマツウェイについて

コマツウェイとは、コマツの成長・発展の中で創業者の精神をベースに先人たちが築き上げてきた「コマツの強さ」「強さを支える信念」「基本的な心構え・持つべき視点」「行動様式(スタイル)」を明文化したものです。経営層を含むコマツグループのすべての社員が永続的に継承すべき価値観である「コマツウェイ」を浸透させるよう、伝承・定着を推進しています。

コマツウェイ・TQM推進活動

コマツウェイを全世界のコマツグループ各社に普及させ実践していくために、さまざまな推進活動・人材育成を実施しています。社内研修にコマツウェイを織り込み、解説とグループ討論の場を設け、社員の気づきや理解を深めています。職場では定期的にミーティングを開き、考え方の説明や体験談の発表により世代間のコミュニケーションを活発にして伝承・定着を推進しています。2007年からは、「お客様にとって、コマツでなくてはならない度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在になる」ため、ブランドマネジメント活動に取り組んでおり、お客様の現場に入って、お客様の理想を知り、コマツグループ、代理店が一丸となってお客様と共に目標を達成することで、お客様との関係性を深めていくことを目指し、活動を進めています。2025年1月には、コマツの存在意義・価値観とコマツウェイとの関係性を明確にし、社内外の環境変化に合った内容へ改訂したコマツウェイ第4版を発行しました。習慣・文化の違いを超え、コマツウェイの理解、実践をより進めるため、日・英を含む13か国語に翻訳した冊子とPR動画のグローバル展開を進めています。また、TQM(Total Quality Management)については、2023年度に新設した現地講師育成プログラムの第2回目を実施し、グローバルにTQM講師を育成しています。

一方、日本の階層別教育においても、集合研修やオンライン研修に加え、eラーニングを展開することで、更なる浸透を図っております。

今後も全社員に対する人材育成を継続し、コマツウェイとTQMのグローバルな普及・定着を計画的に進めていきます。そして、この定着活動を通じ、コマツウェイを実践し、次世代へ伝え続ける社員をグローバルに育むことが、コマツグループ全体の成長へつながっていくと考えています。

ハラスメント防止の取り組み

コマツグループでは、いかなる差別やハラスメントも排除し、防止することに取り組んでいます。各事業所にはハラスメント相談窓口を設置し、問題があった場合には速やかに対応をとる体制を構築しています。相談を受けた内容については、相談者のプライバシーに十分配慮しながら調査を行い、必要な是正措置を講じるとともに、相談者へのフォローと再発防止に向けた取り組みを実施します。また、各階層の全社員に対して定期的に差別やハラスメントの防止教育を実施することで、社員一人ひとりが差別やハラスメントに関する理解を深め、互いの立場を思いやり、安全で健康に働ける職場づくりを行っています。

2024年度の状況

ハラスメント相談窓口相談件数(国内) 34件
<ハラスメントと差別防止教育(国内)>
 (e-ラーニングおよび集合教育)
  • 基礎教育
  • 新任役員研修
  • 管理職リフレッシュ研修
  • 新任管理職研修
  • センタ長研修
  • 主務・RDⅦ研修
  • 班長研修
  • 中堅社員研修
  • 3年目/7年目社員研修
  • 新入社員研修

ブランドマネジメント活動

ブランドマネジメント活動とは

お客さまにとって不可欠な存在になる

コマツは「企業価値とは、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和である」と定義し、企業価値を高めることを経営の基本としています。

さまざまなステークホルダーが存在する中で、これを「企業価値を創る人」と、「企業価値を評価する人」とに分類した場合、前者を担うのは社員、協力企業、販売・サービス店などで、後者には社会、株主、投資家、メディアなどが含まれますが、この両方の役割を担うのが、唯一「お客さま」であると考えています。お客さまは、コマツの企業価値を共に創り、評価し、そして成果としてリターンを与えてくれる存在だからです。

そこで「お客さまからの信頼度を高めること」を、「お客さまにとって、コマツでなくてはならない度合いを高める」「その結果、パートナーとして選ばれ続ける存在になる」と定義し、「ブランドマネジメント(BM)活動」として、2007年より取り組みを行っています。

「顧客視点」でお客さまの理想や使命をともに実現

コマツのBM活動における基本的な考え方は「顧客視点」です。マーケティング活動では、他社との差別化や、市場におけるポジショニングを考えますが、その前提として、「お客さまが何を目指しているのか」という理想や使命、目標を達成することを考えるのが、顧客視点です。
お客さまの目標を達成するために、自分たちの持つ経営資源や能力を開発、提供し続ける活動を行っています。これらの取り組みも、従来はどちらかというと、経験や勘に頼る分野であったと言えますが、コマツのBM活動では、様々なツールや手法を用いて、ケーススタディを「見える化」し、ノウハウを蓄積して、それを次世代に残していく活動としています。

現在の状況と今後の取り組み

2007年に開始したブランドマネジメント活動も今年で19年目を迎えました。現在では全世界で建設・鉱山機械事業、林業機械事業まで幅広く活動を広げております。また、上記の考え方をコマツグループのすべての社員が現場や職場で永続的に継承すべき価値観であるコマツウェイにブランドマネジメント編として組み込んでおります。

コマツウェイ最新版である第4版では、営業・生産・開発・管理部門他も含めて一丸となってBM活動に取り組むというメッセージを追加しました。部門横断的組織で活動を進める事により組織能力強化が促され、コマツがお客様に提供するソリューションの幅も広がりを見せております。今後もコマツは全社一丸となってBM活動を推進していきます。

グローバルBM大会ワークショップ(石川県小松市 2024年10月)

DATA

(1)2024年度コマツウェイ・TQMに関連する教育研修

研修名 対象者 ねらい 実施時期(2024年度) 人数・実績(2024年度)
コマツウェイ研修  各階層別の内容を実施  コマツウェイの理解・実践の促進  通年  1,245人
海外現地法人ミドル層向け教育
(コマツウェイリーダーシップ開発研修)
事業・機能の中核を担うと期待される海外現地法人ミドル層 コマツウェイを理解、実践できる現地リーダーの育成 2024年度の実施は無し(2025年度は実施予定)
TQM入門・初級・中級・上級・管理職研修(国内向け) 各階層別の内容を実施 TQM理解と実践促進 通年 1,833人
TQM研修(海外現地法人向け) 海外現地法人社員 海外現地法人でのTQM理解と実践の促進 2025年2月 29人
TQMインストラクター育成研修 海外現地法人社員 各地域・会社でTQM研修を実施できるローカル講師の育成 2024年11月 11人
QCサークル推進員研修 QCサークル推進事務局・推進員 QCサークル活動の活性化・円滑な運営推進方法の習得
2024年6月・7月 35人
QCサークルリーダー研修 QCサークルリーダー QCサークル活動に必要な考え方・手法の習得 2025年2月・3月 106人
オールコマツQC大会 国内・海外のコマツグループから選抜 改善発表活動をOJTの場とし、コマツウェイ実践の意識付けを強化 2024年11月 改善発表91件(うち海外31件)会場参加者数:約800人

(2)コマツウェイ推進活動のあゆみ

その他人材に関するデータ

  • 「(2)連結従業員数」以外は、原則としてコマツ単独正社員のデータです。
    人員データは、注記のあるものを除き各年度末時点のものです。
 

(1)単独従業員数

  2022年度 2023年度 2024年度
全体 12,208人 12,285人 12,344人
  うち男性 10,760人 10,771人 10,804人
  うち女性 1,448人 1,514人 1,540人

 

(2)連結従業員数

  2022年度 2023年度 2024年度
全体 64,343人 65,738人
66,697人
  うち日本以外で働く社員 44,040人 45,272人
46,464人
 

(3)平均年齢

  2022年度 2023年度
2024年度
全体 40.9歳
41.2歳
41.5歳
  うち男性 41.0歳
41.4歳
41.7歳
  うち女性 39.9歳
39.9歳
40.0歳
 

(4)平均勤続年数

  2022年度
2023年度
2024年度
全体 16.4年
16.7年 16.9年
  うち男性 16.7年
17.1年
17.3年
  うち女性 13.9年 13.8年
13.9年
 

(5)年齢別人員

  全体 男性 女性
全体 12,344人 10,804人 1,540人
  60歳以上 593人 515人 78人
  50-59歳 2,771人 2,375人 396人
  40-49歳 3,440人 3,145人 295人
  30-39歳 3,611人 3,275人 336人
  30歳未満 1,929人 1,494人 435人
 

(6)平均年間給与

  全体 男性 女性
2024年度 8,591,258円 8,832,771円 6,981,219円
  • 年齢別最低賃金の設定あり
  • 性別による賃金規定等の制度上の差は設けておらず、性別の差については管理職や等級別の割合、勤続年数等の労務構成差による差 
 

(7)新卒採用

  全体 採用区分別
現業職除く 大卒 短大・専門卒 高卒・他
男性 女性 男性 女性 男性 女性
2023年度 290人 192人 161人 109人 52人 15人 12人 3人 114人 88人 26人
2024年度 301人 210人 184人 136人 48人 19人 14人 5人 98人 75人 23人
2025年度 293人 206人 183人 143人 40人 11人 9人 2人 99人 76人 23人
  • 各年度4月1日時点の状況
 

(8)経験者採用(2025年8月8日時点)

  全体 経験者採用比率 採用区分別
大卒 大卒以外
現業職除く 現業職除く 男性 女性 男性 女性
2022年度
87人 42人 26% 20% 40人 32人 8人 47人 44人 3人
2023年度
198人 96人 41% 33% 110人 90人 20人 88人 74人 14人
2024年度
158人 85人 34% 29% 86人 66人 20人 72人 62人 10人

 

(9)離職者

  全体 男性 女性
2021年度 200人(1.54%/1.31%) 160人 40人
2022年度 200人(1.53%/1.36%) 163人 37人
2023年度 203人(1.49%/1.26%) 166人 37人
2024年度 200人(1.44%/1.26%) 174人 26人
  • 表中カッコは(離職率/自己都合離職率)、自己都合離職率には定年退職者を含まない
  • 対象期間:各年度4月~3月 
 

(10)新入社員定着状況

  全体 男性 女性
2022年度新卒採用者 254人 186人 68人
2025年度在籍者 239人 173人 66人
離職者[3年間]
(離職率)
15人
(5.9%)
13人

2人

  • 2025年度在籍者は2025年4月1日時点の状況
CSR室, 教育企画部, 安全・健康推進部, 代理店人材育成推進室, 人事部