コマツは2008年から認定特定非営利活動法人「日本地雷処理を支援する会(JMAS)」と提携し、カンボジアをはじめ対人地雷の被害に苦しむ地域において、地雷除去ならびに復興までのコミュニティ開発のための活動を行っています。コマツの専門技術やモノづくりに関する知恵を結集して開発した対人地雷除去機や建設機械が現地で活躍しています。
地雷が埋められた危険な土地から安全な土地へ、そして道路や小学校の建設によってさらに付加価値が高められた土地へ。今後も、コマツの本業である建設機械を通じた支援により地域全体の復興に寄与する活動を進めていきます。
項目 | 実績(2019年度まで累計) |
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除去面積 |
2,317ヘクタール |
除去数 |
2,225個 |
道路建設/整備 |
76.2km |
学校建設数 |
9校(生徒数 約700名) |
ため池 |
47個 |
2016年からはラオスにおける不発弾除去活動の支援も始まりました。
ラオスは、国土の3割以上が不発弾に汚染されており、その多くがクラスター子弾で子どもや農民が毎年被害にあっています。 ラオスの不発弾処理部隊であるUXO-LAOと日本のJMASが中心となって行っているクラスター子弾処理の機械化事業に対して、コマツは機材の無償貸与と技術支援を行っています。
コマツのこれまでの経験と技術を駆使し、新たに油圧ショベルPC130-8をベースに対人地雷除去機(不発弾処理用)を開発し、除去活動にあたっています。
項目 | 実績(2019年度まで累計) |
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除去面積 |
369ヘクタール |
除去数 |
3,849個 |
学校建設数 | 1校(生徒数 約70名) |
また、コマツでは「出前授業」として、社員が日本国内の学校に赴き、小学生から大学生までの幅広い世代の若者に、これらの活動を紹介しています。これまでに累計で約75回、約6,700名に対して授業を行いました。
ある中学校の3年生向けに行った出前授業では「もともとある機械を改良して、地雷で困っている国を助けるというのがすごいと思った。また、その地域の小学生のために学校を建て直すというのも国を助けていて、私も将来、そのような案を思いつける人になりたいと思った。そのために世界で起きていることを知りたい」との感想文がありました。
未来を担う子どもたちが自分の将来や生き方について考える機会が生まれるよう、コマツは今後も出前授業を継続してまいります。
2019年からの新たな取り組みとして、地雷除去跡地に農業用の建機を導入し、農地復興・産業促進を目指す試みをスタートさせました。農業はカンボジアの主要産業の一つ(GDPの約25%)であり、全土にわたって盛んに米作・稲作が行われています。コマツはJMASの協力のもと、州政府と連携しながら、作業効率の向上と収穫量の増大を目的とした活動を進めており、ブルドーザーやホイールローダー、油圧ショベルを活用した作業の実効性を検証しています。
年 | 活動内容 (下線は、国際条約および日本政府の活動) |
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1998年 |
カンボジア地雷原用の潅木除去機を開発 |
1999年 |
オタワ条約発効(対人地雷禁止条約) |
2002年 |
日本政府が、対人地雷除去機を武器輸出三原則等の例外とすることを表明 |
2003年 |
経済産業省とNEDO(*)の助成金事業で、対人地雷除去機を開発(下図①) |
2004年 |
外務省の支援により、アフガニスタンで現地テストを実施 |
2006年 |
外務省の支援により、カンボジアで現地テストを実施 |
2007年 |
アフガニスタンに1号機を導入(日本政府ODA) |
2008年 |
NPO法人“JMAS”と、カンボジア復興プロジェクトを開始 |
2009年 |
NPO法人“JMAS”と、アンゴラ復興プロジェクトを開始 |
2010年 |
オスロ条約発効(クラスター爆弾禁止条約) |
2015年 |
対人地雷除去機(不発弾処理用)を開発(下図②) |
2016年 |
NPO法人“JMAS”と、ラオス復興プロジェクトを開始 |
2017年 |
アンゴラ復興プロジェクトを終了 |
2019年 |
カンボジアに9校目、ラオスに1校目の小学校を建設 |
2020年 |
カンボジアで農業CSRプロジェクトを開始 |