Management of sustainability サステナビリティのマネジメント

マテリアリティ(重要課題)の分析

あ-1_マテリアリティ(重要課題)の分析

マテリアリティ

コマツは、サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じた社会課題の解決を基本姿勢としています。
当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の見直しを以下のとおり行い、6分野18項目を特定しました。

マテリアリティの定義・特定の背景

コマツは、その存在意義に基づき、新たな顧客価値の創造を通じて、社会課題の解決と収益向上の好循環を生み出し、持続的な成長を図ることを中期経営計画の基本的なコンセプトとしています。当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)について、新中期経営計画の策定に伴い、今回、3年ぶりに見直しを行いました。

見直しに際しては、ダブルマテリアリティの概念を採用しました。ダブルマテリアリティとは、財務的な影響だけでなく、環境や社会への影響も評価する包括的なアプローチです。「ビジネスへの影響」と「環境・社会への影響」の両方の側面から分析を行い、6分野18項目のマテリアリティを特定しました。これらの項目は、本年4月に公表した新中期経営計画における重点活動にも織り込んでいます。

当社は、経営環境の変化に柔軟に対応するため、これからも定期的にマテリアリティ分析を行い、サステナビリティ課題に関連した事業上のリスクと機会を経営に反映していきます。

マテリアリティ見直しのステップ

マテリアリティを見直す過程において、第三者としてNPO法人であるBusiness for Social Responsibility 社(BSR 社、アメリカ)の支援を受けながら、以下のステップを踏みました。

(1)サステナビリティ課題の抽出

過去のマテリアリティ分析、国際的な目標・基準、報告フレームワーク、経営理念・戦略、ステークホルダーの重要課題を活用して、39項目にわたる課題リストを作成しました。

(2)ダブルマテリアリティによる課題項目の評価

抽出したサステナビリティ課題について、社内外のステークホルダー26名にインタビューを行いました。インタビューによる定性的な情報、当社の公開情報および一般的なリスク情報に基づき、サステナビリティ課題の社会・環境とビジネスの二つの側面での影響を、それぞれ重要度と発生可能性から評価し、マッピングしました。

(3)マテリアリティの特定

評価結果をもとに、特に影響の大きい課題を抽出し、「社員」「人権」「顧客」「倫理・統治」「地域社会」「環境」の6 分野における18項目のマテリアリティを特定しました。

(4)中期経営計画として取締役会にて決議

特定したマテリアリティとサステナビリティ基本方針およびSDGsとの整合性を検証したうえで、社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長のために取り組むべき課題として中期経営計画のなかで位置付け、取締役会で決議しました。

また、課題解決を着実に遂行していくために、KPI(Key performance indicator:重要業績評価指標)を設定しました。その達成状況はコマツレポートで開示していきます。

  • 社外:機関投資家、国連開発計画、環境団体(一般社団法人地球・人間環境フォーラム)、顧客、協力企業(サプライヤー)など
  • 社内:役員(取締役、グローバルオフィサー含む執行役員)

マッピングによる重要度評価

マテリアリテイマップ

マテリアリテイマップ

具体的な課題

社員

労働安全衛生ウェルビーイング

人材獲得、能力開発と職場定着

公正な労働慣行

D&I

人権

人権の尊重

顧客

現場の最適化による顧客価値創造

製品の安全・品質

バリューチェーンの継続性

Al活用とDX推進

競争力の源泉・収益力確保のための事業戦略

倫理・統治

プライバシーとデータ保護、サイバーセキュリティ

事業の変化に合わせたガバナンス

コンプライアンス

地域社会

地域社会への貢献

環境

気候変動対策

資源循環

ネイチャーポジティブ

事業を通じた森林保全への貢献

CSR室