労働安全衛生は、コマツが事業を展開する上での、最も重要なテーマの一つです。 グループ内はもとより、ビジネスパートナーを含めた職場における安全への取り組みに力を入れています。
コマツグループは、下記の体制で安全衛生・健康管理を推進しています。
コマツグループは下記をはじめとした、各種会議体で安全衛生・健康管理に関する議論・情報の共有を行っています。
コマツグループ・パートナー社員の安全衛生意識高揚及び安全衛生活動のレベルアップを狙いとして、活動方針や重点活動項目の共有及び優秀な安全衛生活動について情報共有し、自部門へ展開しています。安全衛生に係る社長表彰も実施しています。
労使一体となり職場のリスク排除、または健康障害を防止するための基本となるべき対策について調査、審議、決定を行います。
グローバルの各地域において、安全健康・環境に関する議題について情報共有やディスカッションを行い、各海外現地法人の安全衛生活動につなげます。2024年度は北米、中南米、欧州、アジア、中国で開催されました。
事業主と社員(代表:ユニオン)および健康保険組合が「健康」についての課題を共通認識し、社員および家族の健康維持増進を図る施策を構築します。
社員の行動指針として、「Safety & Health(安全衛生・健康)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」を掲げ、安全衛生・健康をすべてに優先しています。更に「安全衛生に関する社長メッセージ」をもとに、グループ全体で、社員が安全で、安心して働くことのできる職場環境の確保、及び、社員の健康の維持・増進に努め、その実現に向けて、社員全員が一致協力して、積極的な安全衛生・健康管理活動を推進するという「安全衛生方針」を掲げています。
健康の活動は、2014年に「コマツ健康宣言」が発表され、 同時に「健康づくり5カ年計画」が策定されたことを皮切りに、コマツにおける健康づくり活動が本格的に始動。この計画は、社員が在職中のみならず、退職後も健康で充実した人生を送るためには、健康を「管理」されるだけでは不十分であり、社員が自らの健康状態や仲間の健康に目を向け、必要な行動を考え実践できる力(ヘルスリテラシー※)を育む必要があるという考えに基づき、「健康文化」の醸成を目指しています。
2019年度からは「第二次健康づくり計画」を策定し、推進してきました。そして2025年度からは、「第三次健康づくり計画」を策定し、新たな取り組みを進めています。
「第二次健康づくり計画」の後半からは、国内グループに加え、海外グループとの連携も進めています。これにより、グローバル全体での健康文化の醸成に向けた取り組みが広がっています。
安全衛生方針
重点活動項目およびその目標値を設定し、コマツグループ全体で下記の活動を推進しています。
【安全衛生管理】
重大災害撲滅活動
【健康管理】
グローバルな健康管理活動
社員のヘルスリテラシー向上
▷ タバコ病対策
▷ 生活習慣改善促進
コマツグループでは2014年度より「質の高い健康管理の実施」および「社員のヘルスリテラシーの向上」を目的とし、「健康づくり5カ年計画」を策定しました。
さらに2019年度には「第二次健康づくり計画」を策定し、前中期計画の取り組みを継続しつつ、両立支援の強化、一次予防(生活習慣の改善)、ICTツールの導入など、環境や仕組みの整備を進め、生涯にわたる「健康文化づくり」の推進に取り組んでいます。
2025年度からは、「第三次健康づくり計画」が始動します。健康経営マップと第二次計画の成果と課題を踏まえつつ、引き続き「健康文化づくり」を推進しています。
2024年度の主な取り組み実績は下記の通りです。
項目 | 取り組み内容 | 評価指標 | 実績 | 目標 (25年度) |
|
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23年度 | 24年度 | ||||
ヘルスリテラシー 向上 |
個人が主体的な健康行動を行うために必要な正しい健康情報を獲得、理解、選択、活用する能力向上 | 伝達的・批判的ヘルスリテラシー尺度※1 | 3.55 | 3.55 | 3.7以上 |
がん・生活習慣病 対策 |
がん・生活習慣病の早期発見・治療、重症化予防のための各種健診受診率向上 | 定期健康診断受診率 | 100% | 100% | - |
(参考)2次検診受診率 | 98.9% | 97.3% | 100% | ||
節目ドック受診率 | 84.4% | 86.3% | 95%以上 | ||
女性がん検診受診率 | 58.2% | 56.6% | 80%以上 | ||
タバコ病対策 | 受動喫煙防止および喫煙率低減 | 喫煙率 | 28.5% | 26.1% | 全国平均喫煙率 (16.7%) 以下 |
生活習慣改善推進 | 社員の生活習慣(食事や運動など)を改善・推進するモチベーション向上につながる仕組みづくりや環境の整備 | 社員の「健康行動コンピテンシー※2」 保有者率 |
53.8% | 54.7% | 60%以上 |
メンタルヘルス対策 | メンタルヘルス不調者の低減、早期対応・適切な職場復帰支援、および明るくいきいきと働ける職場づくり | 高ストレス者への面談勧奨に対する返答率 | 97.7% | 99.4% | 100% |
(参考)ストレスチェック実施率 | 98.6% | 99.0% | - | ||
高ストレス職場への対応率 | 100.0% | 100.0% | 100% |
(集計対象: 国内コマツグループの全社員)
※1 数値は問診の5設問に対しての5点満点の平均点より算出(①情報収集、②情報選択、③理解・伝達、④信頼性の判断、⑤計画・行動)
※2 自ら健康行動を実践できる能力(適切な食事・運動等への習慣改善・維持)
項目 | 評価指標 | 実績 | ||
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23年度 | 24年度 | |||
アブセンティーズム | メンタル不調による従業員1人当たりの平均休業日数/年 | 1.52日/年 | 1.59日/年 | ※3 |
プレゼンティーズム | 病気や怪我がない時に発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を評価 プレゼンティーズム=100-全社員の平均値 |
14.8% | 15.2% | ※4 |
※3 ’23年度: 対象者数23,028人 ’24年度:対象者数 22,248人
※4 ’23年度: 実施者数21,334人(回答率: 98.5%)’24年度: 実施者数21,402人(回答率: 99.2%)
2021年度より「第二次健康づくり計画」の「生活習慣改善推進」の一環として、小松製作所健康保険組合との協働で、社員の更なる健康増進・ヘルスリテラシー向上を目的とした健康増進活動「KHP100(Komatsu Health Promotion 100)」を開始しました。
「KHP100」では、希望する社員を対象に身体活動・運動量を可視化するためのウェアラブルデバイスを配布しています。また、デバイスと連携可能な健康ポータルサイト上で、ウォーキングイベントなどの健康イベントを開催して、健康に関する行動変容のきっかけを提供しています。
当社は、従業員の健康増進を目的とした「KHP100」の取り組みなどが高く評価され、スポーツ庁が主催する「スポーツエールカンパニー2025」に認定されました。 この認定は、2023年に続き2回目の受賞となります。
「スポーツエールカンパニー」は、「働き盛り世代」のスポーツ実施を促進し、スポーツに対する社会的機運の醸成を図ることを目的として、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に積極的に取り組む企業を認定する制度です。
協力企業(サプライヤー)の組織である「コマツみどり会」企業に対する安全活動については、みどり会会員企業への支援をご覧ください。
「コマツ健康白書」は、当社の健康に関する施策やデータを社内外に紹介・公表することを通じ、広く活動内容を知ってもらうとともに、社員の健康意識を向上させることを目的として、2025年7月、当社として初めて刊行しました。
白書には、コマツの健康づくりの目的、方針、あゆみ、健康に関する施策、成果、データなどを掲載しており、今後、健康づくり計画の進捗にあわせて定期的に発行する予定です。
内容 | 2024年度実績 |
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労働安全衛生法の規定に基づき、メンタルヘルスに関する教育研修を実施しています。2006年からストレスチェックを開始し、2007年度からはストレス学習も開始し、全国内グループ会社の社員を対象として実施しています。 |
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内容 | 2024年度実績 |
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新入社員教育(雇入れ時教育)をはじめ、国内コマツグループ会社の各階層に対し、安全健康・メンタルヘルス教育を実施しています。 | 定期新入社員(351名)※ 入社3年目/7年目(292名) 経験者採用者(119名) 新任主務、RD Ⅶ(365名) センタ長(45名) 班長(45名) 新任管理職(244名) |
内容 | 2024年度実績 |
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国内コマツグループ会社の生産系管理職や生産技術部門、職場の安全衛生推進者等に対して各機能別に安全衛生教育を実施しています。 | 管理職 安全衛生実践研修(21名) 生産技術者教育 「人間工学講座」(55名) ISO45001規格解釈研修(46名) ISO45001内部監査員養成研修(113名) ISO45001内部監査レベルアップ研修(34名) |
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||
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コマツグループ連結会社 | 小計 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 |
国内 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
海外 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | |
販売系非連結会社 | 小計 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
国内 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
海外 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
請負業者 | 小計 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
国内 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
海外 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
合計 | 5 | 0 | 3 | 0 | 0 |
コマツグループでは、各々の災害の原因を徹底的に分析するとともに再発防止策を水平展開しています。
このような悲しい事故を二度と起こさないよう、より真摯に、積極的に安全衛生活動に取り組んでいます。
国内コマツグループでは2007年度から各事業所にて中央労働災害防止協会方式OSHMS認証・更新を推進してきましたが、2018年度から国際規格ISO45001の統合認証取得に向けて活動を進めています。2019年4月に大阪工場がISO45001を先行取得し、その他事業所およびグループ会社は2020年4月に統合認証を取得しました。
また、海外も同様にOHSAS18001認証・更新を推進してきましたが、2018年度からISO45001認証取得を進めています。
なお、ISO45001認証では、社内の労働安全衛生マネジメントシステムにおいて以下のような活動が適切に管理されていることが認められています。
認証事業所※ | 初取得年度 | |
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コマツ | 大阪工場 | 2019年 |
本社 | 2020年 | |
粟津工場 | ||
金沢工場 | ||
茨城工場 | ||
小山工場 | ||
栃木工場 | ||
郡山工場 | ||
湘南工場 | ||
氷見工場 | ||
滋賀工場 | ||
試験センタ実用試験部 | ||
グループ会社 | ギガフォトン | |
KELK | ||
コマツNTC | ||
コマツ物流本社 | 2022年 | |
コマツ教習所 | 2024年 | |
コマツカスタマーサポート |
認証事業所※ | 初取得年度 |
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Komatsu Chile SA | 2018年 |
コマツアメリカ/チャタヌガ工場 | 2019年 |
コマツアメリカ/ニューベリー工場 | |
英国コマツ | |
コマツイタリア製造 | |
ヘンズレーリンフェン有限公司 | |
バンコックコマツ | |
コマツアメリカ/ピオリア工場 | 2020年 |
コマツマイニング/ペルー工場 | |
コマツマイニング/ヴァーダブル工場 | |
コマツマイニング/天津工場 | |
コマツドイツ(建機部門) | |
コマツドイツ(マイニング部門) | |
コマツインドネシア | |
コマツアンダーキャリッジインドネシア | |
小松機械製造(山東)有限公司 | |
コマツマイニング/ロングビュー工場 | 2021年 |
ヘンズレー・インダストリーズ | |
小松(常州)建機公司 | |
小松(朔州)再製造有限公司 | |
小松(大連)機床有限公司 | |
コマツブラジル | 2022年 |
DESARROLLOS TECHNOLOGICOS S.A | |
コマツロシア製造 | |
コマツアフリカホールディングス(リマンセンタ) | |
Distribuidora Cummins Chile S.A. | |
コマツマーケティング・サポートインドネシア | 2023年 |
コマツオーストラリア | 2024年 |
コマツブラジルインターナショナル(KBI) | |
Komatsu Colombia S.A.S |